備置き、開示に当たっての行動指針 | 会計参与-11

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、会計参与による計算関係書類および会計参与報告の備置き、開示に当たっての行動指針について説明したいと思います。

 

 

会計参与

会計参与は、主として中小企業の計算関係書類の記載の正確さに対する信頼を高めるために、会計に関する専門家である公認会計士または税理士が、取締役と共同して計算関係書類を作成して、その計算関係書類を会社とは別に備置き、開示する職務等を担うものです。

会計参与の資格 | 会計参与-1
会計参与の職務 | 会計参与-2
会計参与の権限 | 会計参与-3
会計参与の責任 | 会計参与-4
会計参与の就任に当たっての行動指針 | 会計参与-5
会計参与の計算関係書類作成に当たっての行動指針(一般事項) | 会計参与-6
会計参与の計算関係書類作成に当たっての行動指針(個別事項-資産) | 会計参与-7
会計参与の計算関係書類作成に当たっての行動指針(個別事項-負債) | 会計参与-8
会計参与の計算関係書類作成に当たっての行動指針(個別事項-資産負債以外) | 会計参与-9
会計参与報告作成に当たっての行動指針 | 会計参与-10
備置き、開示に当たっての行動指針 | 会計参与-11
会計参与報告の記載例 | 会計参与-12

 

 

備置き、開示に当たっての行動指針

会計参与は、会社とは別に、自らの事務所等である会計参与報告等備置場所に、取締役と共同して作成した計算関係書類および会計参与報告を備え置かなければなりません。
また、備え置いた計算関係書類および会計参与報告について、株主および債権者の閲覧・交付の請求に応じる義務があります。

 

 

計算関係書類および会計参与報告の備置き

会計参与は、計算関係書類および会計参与報告の備置きに当たっては、下記事項に留意しなければなりません。

  • 各事業年度に係る計算書類、附属明細書、会計参与報告は、原則として定時株主総会の日の1週間前の日から5年間備え置く必要があります。
  • 臨時計算書類および会計参与報告は、臨時計算書類を作成した日から5年間備え置く必要があります。
    なお、成立の日における貸借対照表および連結計算書類を取締役と会計参与が作成した場合には、会計参与報告を作成するものの、会計参与は成立の日における貸借対照表、連結計算書類、会計参与報告の備置きおよび開示義務は負いません。
  • 会計参与を解任された場合には、計算関係書類及び会計参与報告の備置期間である5年を経過する前であっても直ちに備置き、開示義務を負わなくなります。
    また、会計参与が任期満了あるいは辞任した場合は、新たに他の会計参与または一時会計参与が就任するまでは備置き、開示義務を負います。
    ただし、係争事件に備える意味で10 年間は保存することが望ましいです。

 

 

計算関係書類および会計参与報告の株主・債権者への開示

会計参与は、計算関係書類および会計参与報告を株主・債権者に開示する際のリスクを軽減する意味で、会計参与契約に下記手続について定めることが望ましいです。

  • 株主または債権者から計算関係書類および会計参与報告の閲覧・交付の請求があった際には、請求をしてきた者にあらかじめ取締役が発行する株主または債権者であることの資格を証する書面(閲覧・交付請求者資格証明書)を入手してもらい、その書面を提示した者を資格者として扱うことを原則とします。
    なお、取締役が請求者を株主または債権者ではないと判断し、会計参与に直接その旨の回答をした場合には、請求者が株券、社債券、金銭消費貸借契約書、会社が発行した物品受領書と請求書控えの両方などを会計参与に対して提示したときを除いて、会計参与は閲覧・交付の請求に応じません。
  • 会社が破産・更生など自らの責めに基づく事由や、あらかじめ契約で定めた一定期間内に閲覧・交付請求者資格証明書を発行することができない場合などの例外的場合には、会計参与は請求者の閲覧・交付の請求に応ずることについての了解を得ておくことが必要となります。
    なお、一定期間内に閲覧・交付請求者資格証明書を発行することができない場合に備えて、その一定期間の起算点を示す資料を作っておくことが望ましいです。
  • 会計参与は、株主または債権者であることを推定するに足る書類、例えば、株券、社債券、金銭消費貸借契約書、会社が発行した物品受領書と請求書控えの両方などを持参した請求者の閲覧・交付の請求に会計参与が応ずることの了解を得ておくことが実務上必要となります。
    なお、その際の請求者の本人確認が必要になります。
  • 会計参与は、計算関係書類および会計参与報告の閲覧・交付の請求時に質問を受けても説明義務がない点に留意します。
  • 謄本・抄本の交付を行う場合には、会計参与が請求者にあらかじめ提示した費用相当額を受領します。

 

 

おわりに

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。