税務調査-仮払金,仮受金,貸付金,有形固定資産

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

税務調査における個別の調査項目について具体的に説明します。
今回は、仮払金、仮受金、貸付金、有形固定資産の調査についてです。

 

仮払金、仮受金

税務署は仮払金、仮受金を嫌がります。未精算となっているものは中身を確認して適切な科目に振り替えます。例えば、仮払金となっていても実際は役員に対する貸付金ではないか、と調査官に言われ受取利息を計上することになることも少なくありません。

 

貸付金、役員貸付金

貸付を行った理由と、その資金はどこから調達したのかに調査官は関心を持ちます。

会社から役員への貸付金がある場合、役員からしっかり利息を取っているかチェックされます。役員に対する仮払金などになっていても貸付金と認定される場合もあります。

調査の視点は、利息計上 → 利益増加 → 税金増加です。

 

有形固定資産

大きな設備投資や不動産の売買が行われると、その目的、資金調達の方法などが調査されます。固定資産購入のときに付随して支払った費用のうち、取得価額に算入しなければならないものがモレていないかもチェックされます。契約書など証拠となる資料は固定資産ごとに整理しておきます。

取得価額に含めなくてはならないものの例

  1. 引取運賃、搬入荷役費、購入手数料など購入のために支払った費用
  2. 取付費、据付費、試運転費など実際に事業に使うために支払った費用
  3. 不動産の購入のために使用者などに支払った立退料
  4. 土地として利用するために建物付で取得したときの建物の価額とその取り壊し費用

取得価格に含めないで経費にできるものの例

  1. 不動産取得税、自動車取得税、登記・登録のために要する費用
  2. 固定資産を取得するために借り入れた借入金の利子
  3. 割賦販売契約等により購入した資産の割賦利息相当(購入代価と利息が区分されている場合のみ)

固定資産は買っただけでなく実際に使い始めないと経費(減価償却費)にできません。3月決算の場合、節税のつもりで3月31日に固定資産を買ったとしても、4月1日から使い始めたのでは、来年の経費となってしまいます。この期ズレも税務調査の要チェック項目です。いつ買ったのか、いつ使い始めたのかが分かるような資料を残しておきます。除却、売却も証拠書類とともに調査官に説明できるようにします。

減価償却は、償却方法や償却率を固定資産台帳でチェックします。中古資産の耐用年数に誤りがないか確認します。

修繕費と資本的支出の区分も要調査項目です。修繕費は単なる修理であり、経費になります。資本的支出は価値の増加を伴う支出、例えば機械の修理に伴って高性能の部品に取り替えたり、長持ちする素材に取り替えたりすること、は経費ではなく固定資産として計上しなくてはなりません。
30万円未満の固定資産は一発で経費にできることがあるので、本当に30万円未満かを調べられます。消耗品費や雑費などに資産として計上する必要があるものがないかも注意します。

 

 

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おわりに

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。