税務調査-流れ

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は、税務調査の一般的な流れについて紹介したいと思います。

 

税務調査のスケジュール

税務調査は下のようなスケジュールで進みます。

税務調査の流れ

 

事前連絡

税務署から何月何日から税務調査に伺いたいとの電話が、会社もしくは顧問税理士に入ります。調査を拒否することはできませんが、日程の変更は可能です。現金商売の会社など事前連絡がなく突然税務調査が来る場合もあります。

 

調査当日

1~2人の税務署の調査官が3日ほどかけて調査を行います。調査官には身分証明書と質問検査証の携行が義務づけられているので、必ず確認する様にしましょう。不携帯の者に対しては質問に答える必要はありません。ニセの税務職員が会社の機密情報を収集するためにきたという可能性もあるので注意して下さい。

調査官は自分たちで食事を用意するので、会社側で食事を用意する必要はありません。

 

概況聞き取り

初日は社長との世間話からはじまり、会社の業務内容や概況、取引の流れについて説明を求められます。世間話といっても、調査官はその内容と税金を結びつけて考えています。家族構成や趣味などを聞き出しどこにお金を使っているかを探ったり、子供が家を建てたという話題になれば、その資金はどこからでているのか、贈与税は発生しないかなどと常に目を光らせています。金融商品への興味を聞いて隠し財産がないか疑ったり、最近の買物や旅行、交友関係などなど。この辺りはベテランの調査官が得意とするところです。むやみに話題を提供しないようにします。

 

帳簿の調査

税金を減らすには、売上を減らすか経費を増やすかしか基本的にはありません。

そのため税務調査の視点は下記のようになります。

  1. 売上:今年計上すべき売上を来年にズラしていないか。売上を抜いていないか。
  2. 経費:来年計上すべき仕入を今年にズラしていないか。架空計上していないか。私用の飲食費などが紛れていないか。
  3. 在庫:在庫隠しをしていないか、過小計上していないか

帳簿調査の過程で、色々と質問されたり、契約書などの資料の提出を求められます。調査官の要求に即答することは、信用アップにつながります。しかし分からない場合などは曖昧な返答はせずに、時間がかかってもいいのでしっかりと調べてから返答します。

 

調査終了

税務調査の内容、調査官の発言については漏らすことなくメモをとって残します。後からの対策を行うとき役に立ちます。

税務調査が済んだ後は、後日調査官から電話で連絡があり、税務署に出向くことが多いです。
税務調査の後に、調査官は下記について確認します。

  1. 対象勘定科目と増減金額について
  2. 1.に対する過少申告加算税・重加算税の区別について
  3. 消費税の課税計算について
  4. 源泉徴収税・印紙税について

税務署に出向いた際に、その結果を説明してくれます。

調査が始まってから、その結果の説明までは、早くて1週間、長いと2ヶ月以上先となる場合もあります。なにも指摘事項がなければ申告是認となり終了です。指摘事項があれば修正申告を提出するか、税務署からの更生決定を待ち、追加の税金を支払って終了となります。

このように、どういった手順で税務調査が進むのかを知っていれば、前もってしっかりと準備することができ、当日も緊張することなく対応することができます。自信を持って調査官に接すれば、調査官の心証(心に受ける感じ)も良くなり、あらぬ疑いを抱かれれて、余計な調査が増えることを避けられるでしょう。

 

 

税務調査の関連ページ

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おわりに

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。