確定申告をすると得をする方

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

今回は確定申告をすると得をする方について説明します。

得をするパターンは、税金が戻ってくるパターン、損失を繰り越せるパターンの2種類があります。
なお、一般的なものをピックアップしており、網羅はしてないことをご了承ください。

確定申告をする必要がある方については、「確定申告をしなければいけない方」を参照ください。

 

 

確定申告とは

確定申告とは、その言葉どおり、

  1. 納める税金を自分で計算して「確定」させ
  2. 税金をこれだけ納めますよ、と税務署に「申告」する

ことです。

 

 

確定申告をすると税金が戻ってくる方

確定申告をする必要のない方でも、天引き(源泉徴収)された税金が納め過ぎになっている方は、確定申告をすることで税金が戻ってくる(還付)ことがあります。下記に当てはまる方は、税金を多く納めすぎていないかご確認ください。

 

 

配当をもらった方

上場株式等の配当は、確定申告をしないと所得の大きさにかかわらず2014年以降は20%(所得税15%+住民税5%、復興特別所得税を除く)の決まった税率がかかっています。所得の大きさによっては、この20%というのは税金を払い過ぎていることになります。

2014年以降では、配当所得を含めた課税所得金額が695万円以下であれば、確定申告をすると、配当について天引きされていた税金の一部が戻ってきます。

 

 

医療費をたくさん支払った方

財布が同じ家族の1年間に支払った医療費の合計が10万円を超える方は、確定申告をすることで医療費控除という所得控除を受けることができるので、確定申告をすることにより税金の一部が戻ってきます。

医療費控除について詳しくは次のページを参照ください。
医療費控除とは?医療費の範囲はけっこう広いです1
医療費控除とは?医療費の範囲はけっこう広いです2

 

 

災害や盗難、横領などで資産に損害を受けた方

災害や盗難、横領などで、生活に通常必要な住宅、家具、衣類などの資産に損害を受けた方は、確定申告することで雑損控除という所得控除を受けることができるので、確定申告をすることにより税金の一部が戻ってきます。なお、詐欺や恐喝による損害の場合は雑損控除は受けられません。

雑損控除について詳しくは次のページを参照ください。
雑損控除とは?災害盗難横領の損害を確定申告で節税

 

 

年末調整のときに報告するのを忘れていた方

下記に該当する方は、各種の所得控除を受けることができる可能性があります。所得控除を受けることができる場合は確定申告をすることにより税金の一部が戻ってきます。

  • 年末調整のときに生命保険料控除、地震保険料控除を受けるのを忘れていたい方
  • 年末調整のときに、扶養家族が増えた、結婚した、離婚したことを報告するのを忘れていた方

生命保険料控除については、「生命保険料控除とは?家族の分も対象になります」を参照ください。
地震保険料控除については、「地震保険料控除とは?年間保険料5万円以下なら全額控除されます」を参照ください。
扶養控除については、「扶養控除とは?一緒に住んでいない親族も対象になります」を参照ください。
配偶者控除・配偶者特別控除については、下記をご参照ください。
配偶者控除、配偶者特別控除とは?1-けっこう奥が深いです
配偶者控除、配偶者特別控除とは?2-いろんな壁があります

 

 

年の途中で退職した方

その年の途中で退職した方で、年末調整を受けておらず、その年に他の所得がない方は、確定申告をすることにより税金の一部が戻ってくる可能性があります。

お給料から天引きされる税金は、1月から12月まで1年間働くと仮定して計算されます。そのため、年の途中で退職した場合は、必要以上に税金を天引きされていたことになります。その税金を確定申告で取り戻せる可能性があります。

 

 

退職金をもらった方

その年の退職金以外の所得(1月から退職までもらった給与所得など)よりも各種所得控除の額が大きい方は、確定申告をすることにより税金の一部が戻ってきます。

所得が少なくて使い切れなかった所得控除を、確定申告により退職所得からマイナスすることで、退職金受け取り時に天引きされた税金を返してもらうのです。

また、退職金をもらった時に「退職所得の受給に関する申告書」を提出していなかったため、余計に税金を天引きされていた方も、確定申告により税金の一部が返ってきます。

 

 

寄付をした方

国、地方公共団体、公益を目的とする事業を行う法人や団体のうち財務大臣が指定したものなどに寄付をした方は、所得控除(寄附金控除)や税額控除を受けることができ、確定申告により税金の一部が返ってきます。

寄付金控除について詳しくは次のページを参照ください。
寄付金控除とは?ふるさと納税も含まれます

 

 

家をローンで買った方

家をローンで買った方は、要件を満たせば住宅借入金等特別控除を受けることができますが、これは有名ですから、家をローンで買った方で知らない方はいないと思います。

その他にも家の増改築、改修工事などをした場合にも税制優遇はあります。
ローンを組まずに現金で家を買った場合でも、長期優良住宅に該当すれば税制優遇があります。

 

 

確定申告をすると損失が繰り越せる方

確定申告をすることで、来年以降に損失の繰越ができる、すなわち来年以降の税金を安くすることができることがあります。下記に当てはまる方は、損失を繰り越せるかどうか確認ください。

 

 

純損失の繰越控除

青色申告の事業所得、不動産所得が赤字で、その赤字を他の所得から控除しきれない方は、純損失の繰越控除ができます。

純損失の繰越控除について詳しくは次のページを参照ください。
純損失の繰越控除-フリーランス・個人事業主が青色申告するメリット

 

 

雑損失の繰越控除

災害や盗難、横領などで資産に損害にかかる雑損控除の金額を、その年の所得から控除しきれない方は、雑損失の繰越控除ができます。

雑損失の繰越控除について詳しくは次のページを参照ください。
雑損控除とは?災害盗難横領の損害を確定申告で節税

 

 

おわりに

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。