税理士の選び方-大学院修了で試験免除された税理士

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

税理士になるまでの道のりにはいくつかのルートがあります。主なものは、税理士試験に合格した人、税務署OBの人、大学院修了で試験免除された人、公認会計士の4つです。それぞれ得意分野が違うので税理士を選ぶときは、その税理士がどういう経緯で税理士になったのかも参考にすると良いと思います。

今回は、大学院修了で試験免除された税理士について解説したいと思います。

 

税理士全体のうち大学院で試験免除された税理士は2割

税理士は皆、税理士試験に合格して税理士になったと思われる方も多いと思います。しかし、全国の税理士7万人のうち、2割ほどが大学院を修了することで税理士試験の全部または一部が免除された税理士となっています。

 

大学院を修了すると税理士試験が免除されます

大学院で税法を学んで修士の学位を取得すると、税理士試験の試験科目のうち税法に関する科目が2科目免除されます。
また、大学院で会計学を学んで修士の学位を取得すると、税理士試験の試験科目のうち会計学に関する科目が1科目免除されます。

昔は、大学院を2つ出れば税理士試験が全て免除されて、1科目も合格せずとも税理士になることができました。しかし、あまり勉強をせずに大学院に行くだけで税理士になってしまった人が増えてしまい、税理士の質の低下が問題視されたため、少なくとも税理士試験科目のうち会計科目1科目、税法科目1科目の計2科目は合格しないといけないように、制度が変更されました。

税理士である親が、子供に事務所を継がせたいけど、子供がなかなか税理士試験に合格しない。そのような場合に大学院修了による税理士試験免除の制度がよく利用されているようです。

なぜこのような制度があるのかというと、税理士試験に合格するためには計算問題などある種のテクニックが重視される面があるため、理論を主体としてアカデミックに学ぶ大学院修了者を取り込むことで、税理士全体の均衡をはかることを目的としていたようです。

しかし、現実にはそう上手くは行かず、税理士の質の低下を招いてしまったため、制度が変更されてしまいました。
更なる制度変更、大学院免除の完全撤廃の声も大きくなっており、今後どうなるか分からない状況です。

 

大学院修了で試験免除された税理士のメリット

大学院で学んだ分野については、理論面を中心に強いといえます。

 

大学院修了で試験免除された税理士のデメリット

税理士になった時点での知識は、他の税理士に比べると一般的に弱いと言われています。そのため、税理士になってからの、その人の努力次第で大きく変わります。

試験合格の税理士、税務署出身の税理士、公認会計士・税理士においては、その成り立ち上、一定レベルの能力の高さは担保されています。
しかし、大学院修了試験免除の税理士の場合は、人によって能力の差がとても大きいことに注意してください。

大学院修了で試験免除された税理士を選ぶ際は、他の税理士以上に能力の見極めが重要になってくると思います。

 

おわりに

税理士業界に多様な人材を組み込んで、税理士全体のバランスをとるということは良いことだと思います。大学院免除で税理士になった方の中にも、優秀な方は沢山いらっしゃいますし、勉強家で税法について非常に豊富な知識を持った方も少なくありません。こう言っては元も子もありませんが、やっぱり人それぞれですね。

下記の解説も参考にしてみてください。
税理士の種類別の人数-税理士試験合格者だけではありません
税理士の選び方-税理士試験に合格した税理士
税理士の選び方-税務署出身の税理士

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。