はじめての経理-経理の流れを理解する

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様を支援してきた経験から、起業した後によく相談される経理関係の事柄について解説したいと思います。

 

今回は、「はじめての経理-経理の流れを理解する」として、経理全体の流れについて図を使って説明します。

 

 

経理とは

起業して事業をはじめたら、経理を行う必要があります。

経理とは、事業活動を、一定のルールにもとづいて、お金という単位で記録して処理することをいいます。

 

 

経理の目的

経理の目的は、事業の経営成績と財政状態を把握するための決算書を作成して、事業活動を維持拡大するのに役立てる、投資家に説明する、税金を計算することにあります。

 

 

経理の流れ

取引などの事業活動を行うと、下記のような経理業務の流れを経て、その活動が記録され処理されます。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した経理業務

 

① 取引が発生した

商品を仕入れた、商品を売った、家賃や支払ったといった、お金が関係する事業活動を行ったら、その取引が発生したことを証明するための証拠となる書類を保管します。

証拠となる書類とは、契約書や注文書、請求書、領収書、レシートなどで、原始証憑ともいわれます。取引を行うにあたって、やり取りした書類は基本的にすべて保管しておくことを心がけてください。

 

② 取引を記録する

取引が発生したら、原始証憑にもとづいて、簿記のルールにしたがって入金伝票、出金伝票、振替伝票といった会計伝票(仕訳帳)に記録します。このことを仕訳(しわけ)といいます。

会計伝票(仕訳帳)には次の3つがあります。

  • 入金伝票:現金の入金の取引を記録する伝票です。
  • 出金伝票:現金の出金の取引を記録する伝票です。
  • 振替伝票:現金の入出金以外の取引を記録する伝票です。

 

③ 記録した取引を整理分類する

会計伝票(仕訳帳)に記録された取引を、「仕入」「売上」「支払家賃」といった項目(勘定科目といいます)ごとに、整理分類して総勘定元帳や補助簿を作成します。

総勘定元帳とは、例えば「売上」の総勘定元帳には、全ての「売上」の取引が日付順に並んでいます。

補助簿とは、仕訳帳や総勘定元帳では把握しづらい取引について分かりやすくまとめた会計帳簿のことをいいます、例えば、現金出納帳、預金出納帳、得意先元帳、仕入先元帳、固定資産台帳などがあります。

 

④ 整理分類した取引を集計する

総勘定元帳によって整理分類された取引について、そのすべての総勘定元帳を集計して試算表を作成します。試算表を作成して、会計伝票から正確に総勘定元帳が作成されているかどうかを確認します。

また、試算表を毎月作成することで、月次で事業の業績や資産状況をチェックすることができます。月次決算とは、毎月試算表を作成することをいいます。

 

⑤ 集計した取引から決算書を作る

総勘定元帳を集計して作成された試算表をもとに、そこに決算特有の経理処理を加えることによって決算書を作成します。

日々の経理業務の目的は、最終的にこの決算書を作成することにあるのです。

決算書には

があります。

 

 

会計ソフトの利用

会計ソフトを利用することで、上記の①~⑤の経理業務は下記のようになります。

 

① 取引が発生した → 変更ありません
② 取引を記録する → 伝票を書く代わりに、会計ソフトに入力することになります。
③ 記録した取引を整理分類する → 会計ソフトが自動でやってくれます。
④ 整理分類した取引を集計する → 会計ソフトが自動でやってくれます。
⑤ 集計した取引から決算書を作る → 会計ソフトが”ある程度まで”自動でやってくれます。

 

このように、会計ソフトを使うことで経理業務が非常に楽になります。税理士や会計事務所に任せないで、自分で経理を行おうとお考えの場合は、会計ソフトを導入することをおすすめします。

 

最近の会計ソフトはかなり優秀で、簿記の知識が深くなくても操作できるようになっていますが、「② 取引を記録する」における会計ソフトへの入力には、ある程度の簿記の知識が必要になります。

また、「⑤ 集計した取引から決算書を作る」において必要になる決算特有の経理処理というのは会計ソフトだけででは完全には自動化できません。簿記の知識がかなり必要になる難しい業務になります。
そのため、日々の会計ソフトへの入力は自分でやっても、決算作業だけは税理士や会計事務所にお願いしている方が多いです。

 

 

税理士の利用

経理の流れについて大まかに理解できたでしょうか。起業したばかりの時期においては、自分は事業の本業に専念して、経理については税理士や会計事務所に任せてしまうのが効率的だと思います。

税理士の利用については、「会計帳簿の作成はプロに任せよう」も参考にしてみてください。

 

 

おわりに

港区や渋谷区、新宿区といった東京23区で、起業をお考えの方は、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や税金、節税だけでなく、ビジネスやファイナンスにも強い若手の公認会計士・税理士が、起業して間もない経営者様を支援させて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございました。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。