消費税の免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の処理

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が、会計や税金節税などについて解説します。

 

今回は、消費税の免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の処理について説明したいと思います。

逆に、
消費税の課税事業者から免税事業者になったときについてはこちら
消費税の課税事業者から免税事業者になったときの棚卸資産の処理

 

 

免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の問題

消費税の免税事業者から、新たに課税事業者となった場合、免税事業者の期間に仕入れた商品などの棚卸資産の取扱いが問題になります。

例えば、下記のように免税事業者であった期間に仕入れた商品を、課税事業者になった期間に売った場合を考えます。

甲社は会社設立して当期は3期目です。
1期、2期は消費税の免税事業者でしたが、1期の課税売上高が1,200万円であったため、3期からは消費税の課税事業者になります。
甲社は免税事業者であった2期に仕入れた商品Aを、課税事業者になった3期において販売しました。

商品Aを売った3期の時点では、課税事業者なので、商品Aの販売にかかる消費税を顧客から預かりますが、
商品Aを仕入れた2期の時点では、免税事業者なので、商品Aの仕入れにかかる消費税について仕入税額控除はできないのでしょうか。

 

もし、仕入税額控除ができないとなると、商品Aについては顧客から預かった消費税をまるまる納めなければならなくなります。

この点について消費税法では次のように定められています。

 

 

免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の処理

新たに課税事業者となる日の前日において持っている商品などの棚卸資産のなかに、免除事業者の期間に仕入れた棚卸資産がある場合、その棚卸資産に係る消費税額は、課税事業者の期間の課税仕入れ等の税額とみなされ、仕入税額控除の対象になります。

つまり、上記の例では、仕入税額控除ができることになります。

 

 

仕入税額控除の対象になる棚卸資産

この仕入税額控除の対象となる棚卸資産は、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料、貯蔵中の消耗品などで、新たに課税事業者となる日の前日の時点において所有しているものをいいます。

 

 

この適用を受けるために

免税事業者から課税事業者になったときの棚卸資産の仕入税額控除の適用を受けるためには、その棚卸資産の明細を作成して、その課税期間の末日の翌日から2ヶ月を経過した日から、7年間保存する必要があります。

 

 

おわりに

売上高が1,000万円前後で推移して、免税事業者である期間と課税事業者である期間を行ったり来たりする場合は、特に注意してくださいね。

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。