カテゴリー: 源泉所得税・源泉徴収

源泉所得税の納付が遅れたらどうなるのか | 所得税徴収高計算書-2

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、源泉所得税の納付が遅れたらどうなるのかについてご説明したいと思います。

 

 

源泉所得税の納付遅れによる不納付加算税

源泉所得税の納付が1日でも遅れてしまった場合は、不納付加算税という罰則的税金が追加でかかってしまいます。

源泉所得税にかかる不納付加算税は、納付しなければならない源泉所得税の10%です。
(計算した不納付加算税が5,000円未満の場合は、不納付加算税は免除されます。)
しかし、税務調査などで税務署から言われてから納付するのではなく、納付が遅れてしまったことに気づいて自ら率先して納付した場合は、不納付加算税が本来の10%から5%にまけてもらえます。

 

 

不納付加算税が免除される場合

源泉所得税にかかる不納付加算税は次のような場合に免除されます。

  • 不納付加算税が5,000円未満の場合
  • 過去1年間に納付が遅れたことがなく、かつ納付期限から1ヶ月以内に納付した場合
  • 新たに源泉徴収義務者となって初回の納付にかかるもので、かつ納付期限から1ヶ月以内に納付した場合

 

 

源泉所得税の納付遅れによる延滞税

源泉所得税の納付が遅れると、延滞税という利息にあたる罰則的税金も加算されてしまいます。

延滞税は、納付期限の翌日から納付する日までの日数に次の年利率をかけて計算されます。
(計算した延滞税が1,000円未満の場合は、延滞税は免除されます。)

最初の2ヶ月は年2.9%(平成27年)
3ヶ月以降は年9.1%(平成27年)

延滞税は、悪質な場合などを除いて原則として最長で1年分かかります。
例えば、3年前のものであっても延滞税は3年分かかるのではなく1年分になります。

 

 

おわりに

納期の特例を受けている場合は、半年分の源泉所得税を年2回まとめて納付するので、納付が遅れてしまったときの不納付加算税・延滞税も多額になる恐れがあります。気がついたらすぐに納付するようにしてください。

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

源泉所得税の納付書は4種類あります | 所得税徴収高計算書-1

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、4種類ある源泉所得税の納付書についてご説明したいと思います。

 

 

源泉所得税の納付

源泉所得税を納めるときに使う納付書のことを所得税徴収高計算書といいます。

この所得税徴収高計算書には次の4種類があります。

  • 給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般)
  • 給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期の特例)
  • 報酬・料金等の所得税徴収高計算書
  • 非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書

 

 

給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書

給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書は、

  • 居住者に支払う給与や退職金など
  • 弁護士や税理士などの一部の士業(個人)に支払う報酬など

について源泉徴収(所得税の天引き)した源泉所得税を納付する場合に使います。

 

給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書には、
一般用のものと、
源泉所得税の納期の特例を受けている場合に使う納期特例用の
2種類があります。

 

源泉所得税の納期の特例を受けていない場合は、給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(一般)を使って、その月の分を翌月の10日までに納付します。

源泉所得税の納期の特例を受けている場合は、給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書(納期の特例)を使って、1月から6月までの分を合計した金額を7月10日までに納付して、7月から12月までの分を合計した金額を翌年1月20日までに納付します。

 

 

報酬・料金等の所得税徴収高計算書

報酬・料金等の所得税徴収高計算書は、居住者である個人に支払う報酬や料金、契約金、賞金などについて源泉徴収した源泉所得税を納付する場合に使います。

弁護士や税理士などの一部の士業(個人)に支払う報酬などについては、この報酬・給料等の所得税徴収高計算書ではなく、上記の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書を使い、納期の特例も適用されます。

 

報酬・料金等の所得税徴収高計算書は、その月の分を翌月の10日までに納付します。
源泉所得税の納期の特例を受けている場合であっても、報酬・料金等についてはその月の分を翌月の10日までに納付しなければならないので注意して下さい。

 

 

非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書

非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書は、非居住者や外国法人の所得などについて源泉徴収した源泉所得税を納付する場合に使います。

非居住者・外国法人の所得についての所得税徴収高計算書は、その月の分を翌月の10日までに納付します。
源泉所得税の納期の特例を受けている場合であっても、非居住者・外国法人の所得についてはその月の分を翌月の10日までに納付しなければならないので注意して下さい。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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お給料を2社以上からもらっている役員・従業員などの源泉徴収税額

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が会計や税金、節税について解説します。

今回は、お給料を2社以上からもらっている役員・従業員などの源泉徴収について説明したいと思います。

 

 

主たる給与と従たる給与

会社の役員をやっている人などの中には、2以上の会社から給与をもらっている場合も少なくありません。

例えば、複数の会社を経営している人や席を置いている会社以外の会社にも携わっている人などです。

このような場合には、その人に支払う役員報酬・給料といった給与が

  • 主たる給与に該当するのか
  • 従たる給与に該当するのか

を確認する必要があります。

 

主たる給与

主たる給与とは、「給与所得者の扶養控除等申告書」を提出している人に対して支払う給与をいいます。

主たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「甲欄」を使って計算します。一般的にはこちらを使うことが多いと思います。

 

従たる給与

従たる給与とは、主たる給与の支払者以外の給与の支払者が支払う給与をいいます。

従たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「乙欄」を使って計算します。

なお、従たる給与については原則として年末調整できません。
そのため、従たる給与をもらっている人は、自分で確定申告を行って所得税と復興特別所得税の精算を行う必要があります。

 

 

従たる給与についての扶養控除等申告書

扶養控除等申告書には、一般的に用いられる「給与所得者の扶養控除等申告書」の他に、「従たる給与についての扶養控除等申告書」というものがあります。

 

2ヶ所以上から給与をもらう人のうち、
主たる給与の支払者から受け取るその年中の給与の金額(給与所得控除後の給与等の金額)が、下記の1と2の金額の合計額未満になると見込まれる人が、
従たる給与の支払者(主たる給与の支払者以外の給与の支払者)のもとで配偶者控除や扶養控除を受けるために提出するものが「従たる給与についての扶養控除等申告書」になります。

  1. 主たる給与の支払者から受け取る給与から控除される社会保険料等の額
  2. その人の障害者控除額、寡婦(寡夫)控除額、勤労学生控除額、配偶者控除額、扶養控除額及び基礎控除額の合計額

 

従たる給与を支払う場合の源泉徴収税額は、税額表の「乙欄」を使って計算しますが、「従たる給与についての扶養控除等申告書」を提出している人については、「乙欄」を使って計算した源泉徴収税額から下記の金額を差し引きます。

  • 月額表を使う場合は、「従たる給与についての扶養控除等申告書」に記載された控除対象扶養親族など1人につき1,610円
  • 日額表を使う場合は、「従たる給与についての扶養控除等申告書」に記載された控除対象扶養親族など1人につき50円

 

2ヶ所以上から給与をもらう人のうち、上記の条件に当てはまる人は稀だと思いますが、上記の条件に当てはまる場合は、源泉徴収税額が少なくなるのでご検討ください。

 

 

おわりに

港区や渋谷、新宿など東京23区で、会社を退職して起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。会計や節税だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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年収103万円以下でも扶養控除申告書が必要 青色事業専従者やパート・アルバイトも

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士がビジネスや税金・節税などについて解説します。

今回は、青色事業専従者やパート・アルバイトなど、年収が103万円以下であっても扶養控除申告書が必要になる理由について説明したいと思います。

 

 

年収103万円の壁

年収103万円の壁、という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。

年間の給与収入が103万円以下であれば、

  • 本人に所得税がかからない
  • 配偶者控除の対象になる
  • 扶養控除の対象になる

といった税金の優遇を受けられることをいいます。

 

青色事業専従者や、パートやアルバイトをしている配偶者(妻または夫)や扶養親族(子供など)の方は、この103万円の壁を超えないようにしている場合が多いと思います。

 

年収については、この103万円の壁以外にも、98万円の壁、130万円の壁、141万円の壁といったものがあります。これらの年収の壁については下記ページを参照ください。
配偶者控除、配偶者特別控除とは?2-いろんな壁があります

 

 

年収103万円以下でも所得税がかかる場合あり

年収103万円以下でも所得税がかかる場合があります。

 

会社に「扶養控除申告書」を提出している場合

年収103万円以下で所得税がかからないのは、会社に「扶養控除申告書」(正式名は給与所得者の扶養控除等(異動)申告書です)を提出している場合になります。

 

会社に「扶養控除申告書」を提出していると、会社が年末調整をしてくれるので、年収103万円以下であれば、年末調整の結果、所得税はゼロになります。会社が全てやってくれるので、自分で何か手続きをする必要はありません。

また、会社に「扶養控除申告書」を提出していると、毎月の給料から天引きされる所得税の額も少なくて済みます。月の給料が88,000円未満であれば、毎月の給料から天引きされる所得税(源泉所得税)もゼロになるので、毎月の手取りが減りません。

 

パートやアルバイトだけでなく、青色事業専従者の方も「扶養控除申告書」を提出してくださいね。

 

 

会社に「扶養控除申告書」を提出していない場合

年収103万円以下であっても、会社に「扶養控除申告書」を提出していない場合は、面倒になってしまいます。

 

所得税をゼロにするためには、確定申告をして、給料から天引きされた所得税を返してもらわなければなりません。確定申告をしないと、給料から天引された所得税は戻ってきません。青色事業専従者であっても同様です。

会社に「扶養控除申告書」を提出していないと、会社が年末調整をしてくれないので、自分で確定申告をする必要があるのです。

また、会社に「扶養控除申告書」を提出していないと、毎月の給料から天引きされる所得税の額も大きくなってしまい、毎月の手取りが減ってしまいます。(確定申告すれば、天引きされた所得税が戻ってくるので、結果的には所得税はゼロになります。)

 

 

おわりに

繰り返しになって恐縮ですが、青色事業専従者の方で「扶養控除申告書」を提出するのを忘れてしまうケースが少なくないのでご注意ください。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなた事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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パート・アルバイトの源泉徴収に使う源泉徴収税額表

はじめに

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港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士がビジネスや税金・節税などについて解説します。

 

今回は、パートやアルバイトの源泉徴収に使う源泉徴収税額表について説明したいと思います。

 

 

源泉徴収税額表の種類

従業員やアルバイト・パートなどを雇って給料を支払うときに源泉徴収する金額は、給料の支払いの度に、源泉徴収税額表を使って計算します。

 

源泉徴収する金額を計算するのに使う源泉徴収税額表には、次の3種類があります

  • 給与所得の源泉徴収税額表「月額表」
  • 給与所得の源泉徴収税額表「日額表」
  • 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表

 

そして、

  • 給与所得の源泉徴収税額表「月額表」には、「甲欄」と「乙欄」があります。
  • 給与所得の源泉徴収税額表「日額表」には、「甲欄」と「乙欄」と「丙欄」があります。
  • 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表には、「甲欄」と「乙欄」があります。

 

源泉徴収税額表については下記ページを参照下さい。
源泉徴収税額表「甲欄」「乙欄」「丙欄」「日額表」「月額表」の違い

 

 

パート・アルバイトの源泉徴収税額表

パートやアルバイトの方に給料を支払うときには、他の従業員に給料を支払う場合と同様に、源泉徴収する必要があります。

パートやアルバイトの方に給料を支払うときに源泉徴収する金額は、原則として他の従業員の方と同様に、源泉徴収税額表「月額表」の「甲欄」または「乙欄」、源泉徴収税額表「日額表」の「甲欄」または「乙欄」を使って計算します。

  • 源泉徴収税額表「月額表」の「甲欄」・・・パート・アルバイトの給料が月単位などの支払いで、パート・アルバイトから「扶養控除等申告書」の提出がある場合
  • 源泉徴収税額表「月額表」の「乙欄」・・・パート・アルバイトの給料が月単位などの支払いで、パート・アルバイトから「扶養控除等申告書」の提出がない場合
  • 源泉徴収税額表「日額表」の「甲欄」・・・パート・アルバイトの給料が働いた日ごとなどの支払いで、パート・アルバイトから「扶養控除等申告書」の提出がある場合
  • 源泉徴収税額表「日額表」の「乙欄」・・・パート・アルバイトの給料が働いた日ごとなどの支払いで、パート・アルバイトから「扶養控除等申告書」の提出がない場

 

 

ただし、次の1と2、または1と3に該当する場合、パートやアルバイトの方に給料を支払うときに源泉徴収する金額は、源泉徴収税額表「日額表」の「丙欄」を使って計算します。

  1. パート・アルバイトの給料を、働いた日や働いた時間で計算している
  2. パート・アルバイトの雇用契約の期間があらかじめ定められていて、そのあらかじめ定められている雇用契約期間が2ヶ月以内である
  3. 日々雇い入れている場合、継続して2か月を超えて給料の支払をしていない

 

よって、パートやアルバイトの方に日給や時間給で給料を支払う場合で、雇用契約の期間が2か月以内と決まっているときは、源泉徴収税額表「日額表」の「丙欄」を使います。

 

あらかじめ決まっていた雇用契約の期間が2ヶ月以内であったとしても、雇用契約の期間が延長された場合や、再雇用したことによって2ヶ月を超えてしまった場合は、雇用契約の期間が2ヶ月を超えた日から、源泉徴収税額表「日額表」の「丙欄」は使えなくなってしまいます。そのため、源泉徴収税額表「月額表」の「甲欄」か「乙欄」、源泉徴収税額表「日額表」の「甲欄」か「乙欄」を使って源泉徴収する金額を計算することになります。

 

 

おわりに

当初は短期間の雇用予定であったパート・アルバイトの方について、2ヶ月を超えても源泉徴収税額表「日額表」の「丙欄」を使い続けてしまっているパターンが結構あります。2ヶ月を超えたら「丙欄」は使えない、と覚えておいてくださいね。

 

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