自宅家賃を事務所費用にして節税(フリーランス・個人事業主)

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

フリーランスや個人事業主としてスタートしたばかりの方など、オフィスを別に借りないで自宅を事務所として利用している方も多いと思います。今回は、そんな方にピッタリな自宅家賃を事務所費用にして節税する方法を紹介します。

 

仕事で使っている分の自宅家賃は必要経費になります

オフィスを借りずに、自宅で仕事をしているフリーランス、個人事業主の方にとって、自宅は、生活する所でもあり仕事をする所でもあります。ここで、自宅家賃はもちろんのこと電気、水道、ガス代などの水道光熱費についても、仕事で使っている分は、必要経費にすることができます。必要経費にできるということは、その分だけ所得を減らすことができて、その結果税金を安くすることができるのです。つまり節税になるということですね。

 

仕事で使っている分とは

仕事で使っている分だけ必要経費になると言いましたが、「仕事で使っている分」を計算するのが少々やっかいなんです。仕事で使っている分のことを事業用使用割合と言いまして、日常生活で使っている分のことを家事使用割合と言います。

事業分と家事分を厳密に分けるとすると、使用時間と使用面積を用いて分けることになります。しかし実務的には、床面積の使用割合を用います。仕事で使っている床面積分と日常生活で使っている床面積分で分けるのです。自宅面積が100㎡として、生活で60㎡、仕事で40㎡使っているので、毎月払っている自宅家賃のうち40%を毎月必要経費にするというやり方です。

しかし、実際に床面積で分けるといっても、実際にやろうとすると悩みますよね。

例えば・・・

  • ワンルームの場合はどうするのか?
  • 玄関や廊下、キッチンやバス・トイレなど共用部分はどうするのか?
  • 生活でも仕事でも両方で使っている分はどうするのか?
  • 自分の生活は100%仕事に捧げている!だから事業使用割合は100%だ!

ようは、世間一般的に、ひいては税務署的に納得できるかどうかが問題となるのです。判断に迷ったら税務調査で調査官を納得させるストーリーを語ることができるかどうかで事業用使用割合を決めましょう。税理士に相談すれば、あなたと税務署双方が納得できる落とし所を示してくれるでしょう。

すみません、これじゃあ答えになっていませんよね。

迷った時、税理士の私なら事業用使用割合をどう決めるでしょうか。

1つの部屋を完全に仕事用にして、その床面積を事業用とします。共用部分の床面積は半分を事業用とします。そして、この合計を事業用使用割合にします。部屋を明確に分ければ、税務調査でつっこまれても大丈夫でしょう。

上の例では

  • ワンルームの場合はどうするのか? → 30%~50%にします。
  • 玄関や廊下、キッチンやバス・トイレなど共用部分はどうするのか? → 50%にします。
  • 生活でも仕事でも両方で使っている部屋はどうするのか? → 30~50%にします。
  • 自分の生活は100%仕事に捧げている!だから事業用使用割合は100%だ! → 税務署は納得しません、30~50%を使いましょう。

 

水道光熱費の事業用使用割合は?

厳密には使用した量で事業用と家事用に分けるべきですが、それでは面倒すぎます。例えば、仕事で使った機器の消費電力(ワット数)と使用時間をメモって1ヶ月分を集計して事業用を計算するなんてことは、考えただけで頭が痛くなってしまいます。

実務的には、自宅家賃に用いた事業用使用割合をそのまま使います。自宅家賃に用いた事業用使用割合が40%なら、1か月の電気代の40%を必要経費にします。

 

賃貸物件ではなく持ち家の場合はどうするのか

いままでは賃貸物件の場合についてお話してきました。賃貸物件の場合は、毎月の家賃のうち事業用使用割合だけ必要経費にすることができました。

では、持ち家の場合はどうするのでしょうか。持ち家の場合は、その家の固定資産税や減価償却費、火災保険料、地震保険料等などが事務所使用割合だけ必要経費にすることができます。水道光熱費は賃貸物件と同じです。

 

おわりに

自宅家賃を事務所費用にする節税は、特に追加で支出が必要になるものではなく、もとから個人的に支出している分を事業の必要経費に充てるだけなので、とても効果的な節税方法であるといえます。事業用使用割合の決め方などは、後々まで影響してくるので税理士に相談するのをオススメします。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。