バナー広告・テキスト広告の仕訳・会計・経理処理 | IT企業に強い税理士が解説

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

ITやインターネット、ソフトウェア関連企業に強い公認会計士・税理士が、業界に特有な会計処理や経理、税金について解説します。

今回は、インターネット広告におけるバナー広告やテキスト広告を行った場合の仕訳・会計・経理処理について説明したいと思います。

 

 

バナー広告・テキスト広告とは

バナー広告とは、特定のウェブページ上に宣伝用の画像 ( これをバナーといいます ) を貼って、ウェブページを閲覧している人にバナーを見てもらったり、バナーをクリックして広告主のサイトに誘導したりする広告手法です。バナー広告の例としては、Yahoo!トップページの右上にある大きめの画像が挙げられます。

宣伝用画像 ( バナー ) の代わりにテキストを用いる場合を特に、テキスト広告やテキストバナー広告などと言うことがあります。基本的には画像を使うかテキストを使うかの違いしかありません。

 

 

バナー広告・テキスト広告の料金体系

バナー広告・テキスト広告の料金体系は大きく分けて次の4つのパターンがあります。

 

インプレッション ( 表示 ) 型料金

ウェブページにバナー広告・テキスト広告が表示されることをインプレッションといいます。

インプレッション ( 表示 ) 型料金は、広告が表示される回数 ( インプレッション数 ) に応じて広告料金が発生するものです。バナー広告やテキスト広告がクリックされなくても、ウェブページにバナー広告やテキスト広告が表示されれば、料金が発生します。

また、一定のインプレッション数に達するまで広告が表示されるインプレッション保証型の料金もあります。

 

 

クリック型料金

クリック型料金とは、ウェブページに表示されたバナー広告・テキスト広告がクリックされたら広告料金が発生するものです。ウェブページにバナー広告やテキスト広告が表示されれても、それがクリックされなければ、料金は発生しません。

一定のクリック数に達するまで広告が表示されるクリック保証型の料金もあります。

 

 

成果型料金

成果型料金とは、バナー広告やテキスト広告を経由して広告主のサイトに訪れて、そこで商品やサービスが購入されたら広告料金が発生するものです。購入などの成果がなければ、インプレッションやクリックが発生しても料金はかかりません。

 

 

期間 ( 枠確保 ) 型

期間 ( 枠確保 ) 型とは、ウェブページ上に表示させるバナー広告やテキスト広告を期間と枠で区切る料金体系です。インプレッション数やクリック数には関係なく、「1枠につき1ヶ月○○円」という広告料金になります。

 

 

バナー広告・テキスト広告の会計処理

バナー広告・テキスト広告を行った場合は、広告宣伝費として費用計上します。

リスティング広告を広告宣伝費にするタイミングは、料金体系に応じて、広告料金を支払わなければならない事実が発生した時点になります。広告料金を支払ったタイミングではないので注意してください。

 

広告料金を前払いした場合は、いったん前払費用で処理してから、広告の事実に応じて前払費用から広告宣伝費に振り替えます。

広告料金の前払い時

借方 貸方
前払費用 10,000円 普通預金 10,000円

広告の事実の発生時

借方 貸方
広告宣伝費 10,000円 前払費用 10,000円
IT企業に強い東京都港区の税理士法人インテグリテイ

 

広告料金を後払いした場合は、広告宣伝費を計上する際は未払費用で計上します。

広告の事実の発生時

借方 貸方
広告宣伝費 10,000円 未払費用 10,000円

広告料金の支払い時

借方 貸方
未払費用 10,000円 普通預金 10,000円
IT企業に強い東京都港区の税理士法人インテグリテイ

 

 

バナー広告・テキスト広告の料金体系別の会計処理

バナー広告・テキスト広告の料金体系別の会計処理は下記のようになります。

 

インプレッション ( 表示 ) 型料金

インプレッション ( 表示 ) 型料金の場合は、毎月のインプレッション(表示)数に応じて、広告宣伝費を計上します。
例えば、2月に10,000回表示されて、その広告料金5万円を3月に支払った場合は、2月に3万円の広告宣伝費を計上することになります。

 

クリック型料金

クリック型料金の場合は、毎月のクリック数に応じて、広告宣伝費を計上します。
例えば、10月に100回クリックされて、その広告料金10万円を11月に支払った場合は、10月に10万円の広告宣伝費を計上することになります。

 

成果型料金

成果型料金の場合は、毎月の成果に応じて、広告宣伝費を計上します。
例えば、5月にバナー広告経由で商品が10個売れて、その広告料金を6月に30万円支払った場合は、5月に30万円の広告宣伝費を計上することになります。

 

期間 ( 枠確保 ) 型

期間 ( 枠確保 ) 型の場合は、広告が掲載される期間に応じて、広告宣伝費を計算します。
例えば、バナー広告用の枠を8月の1ヶ月間購入、その広告料金を7月に5万円前払いした場合は、8月に5万円の広告宣伝費を計上することになります。

 

 

広告宣伝費について

広告宣伝費につきましては、下記ページも参照ください。

リスティング広告の仕訳・会計・経理処理 | IT企業に強い税理士が解説
広告宣伝費で節税-でも交際費にならないように注意
交際費と広告宣伝費の違い

 

 

おわりに

バナー広告・テキスト広告は、料金を支払った時点ではなく、広告の事実が発生した時点で広告宣伝費を計上してくださいね。

 

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。