カテゴリー: 法人の保険

医療保険 | 法人が加入する保険の経理と税金

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が税金・節税や会計・経理などについて解説します。

今回は、株式会社などの法人が加入する医療保険に関する経理処理と税金について説明したいと思います。

 

 

 

医療保険とは

医療保険とは、病気やケガの治療、手術や入院などのためにかかった医療費について、その金銭的負担を軽減するための保険のことをいいます。

医療保険には公的な医療保険と民間の医療保険の2つがあります。

公的な医療保険には、会社員の健康保険や公務員の共済組合、自営業者の国民健康保険などがあり、すべての国民が何かしらの公的な医療保険に加入しています(国民皆保険)。

民間の医療保険は、上記の公的な医療保険ではまかなうことができない医療費の自己負担分などに備えるためのもので、各人が任意で民間の保険会社の医療保険に加入するものです。

 

 

法人が加入する医療保険とは

株式会社などの法人が加入する医療保険とは、
法人が保険の契約者になって、社長など会社役員や従業員を被保険者とする医療保険のことをいいます。

 

 

法人が医療保険に加入するメリット

法人が医療保険に加入するメリットとしては次のようなものがあります。

  • 保険内容によっては会社の損金(税金計算上の経費)にすることができる
  • 保険料払込み済みの法人契約の医療保険を個人に名義変更することで、保険料を支払わずに保障が受けられる(税務リスクあり)

 

 

法人が医療保険に加入するデメリット

法人が医療保険に加入するデメリットとしては次のようなものがあります。

  • 法人が給付金を受け取った場合は、会社の益金(税金計算上の収益)になるので、税金が増えてしまう(法人ではなく個人が給付金を受取った場合は、原則として所得税などの税金はかかりません)
  • 会社が受取った給付金の全額を、役員・従業員にお見舞金として渡すと、給与とみなされて余計に税金がかかる可能性がある(法人ではなく個人が給付金を受取った場合は、原則として所得税などの税金はかかりません)

 

 

法人が加入する医療保険の税務上の取扱いと経理処理

法人が加入する医療保険の税務上の取扱いと経理処理は、給付金(保険金)の受取人が、会社なのか被保険者(被保険者の遺族含む)なのかによって、区分されます。

医療保険のうち、死亡保障分がある場合は、保険料を死亡保障分と医療保障分に分けて、死亡保障分については、税務上は定期保険や終身保険の取扱になります。

 

 

給付金(保険金)の受取人が会社の場合

保険期間が定期の場合は、
支払った保険料は保険期間の経過に応じて会社の損金(支払保険料)になります。

 

保険期間が終身で、保険料の支払いも終身払込みの場合は、
支払った保険料はその支払の都度、会社の損金(支払保険料)になります。

 

保険期間が終身で、保険料の支払いが終身ではなく一定の期間だけの有期である場合、

保険料の払込期間においては、払込保険料に「保険料払込期間を105歳と加入時年齢の差で除した割合」を乗じた金額を会社の損金(支払保険料)にして、残りは会社の資産(積立保険料)に計上します。

保険料の払込が終わった後は、保険料払込が終わった時点の積立保険料(資産)を「105歳と払込満了時年齢の差」で除した金額を取り崩して、会社の損金(支払保険料)に振り替えます。

 

 

給付金(保険金)の受取人が被保険者(被保険者の遺族含む)の場合

保険期間が定期の場合は、
支払った保険料は保険期間の経過に応じて会社の損金(福利厚生費)になります。

 

保険期間が終身で、保険料の支払いも終身払込みの場合は、
支払った保険料はその支払の都度、会社の損金(福利厚生費)になります。

 

保険期間が終身で、保険料の支払いが終身ではなく一定の期間だけの有期である場合、

保険料の払込期間においては、払込保険料に「保険料払込期間を105歳と加入時年齢の差で除した割合」を乗じた金額を会社の損金(福利厚生費)にして、残りは会社の資産(積立保険料)に計上します。

保険料の払込が終わった後は、保険料払込が終わった時点の積立保険料(資産)を「105歳と払込満了時年齢の差」で除した金額を取り崩して、会社の損金(福利厚生費)に振り替えます。

 

特定の役員や従業員(これらの者の親族含む)だけを被保険者としている場合には、福利厚生費ではなく、役員や従業員に対する給与になります。

 

 

おわりに

医療保険は、税務上の取扱が難しく税務リスクも高いため、法人で加入をお考えの際は、加入する前に税理士とよく相談してくださいね。

港区や渋谷、新宿など東京23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や会計、そしてビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

養老保険 | 法人が加入する保険の経理と税金

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が税金・節税や会計・経理などについて解説します。

今回は、株式会社などの法人が加入する養老保険に関する経理処理と税金について説明したいと思います。
 

 

 

養老保険とは

養老保険とは、一定の保険期間が定められた生命保険(死亡保険)で、

  • 保険期間の間に保険の対象である被保険者がお亡くなりになった時に、ご遺族などの保険金受取人に死亡保険金が支払われます。
  • また、被保険者がご存命のまま保険期間の満期を迎えた場合は、死亡保険金と同額の満期保険金(生存保険金)が支払われます。

 

保険期間が一定で保険料が掛け捨てになる定期保険や、
保険期間に定めはないけどお亡くなりになるまで保険金を受け取れない終身保険と異なり、
養老保険は、ご存命でもお亡くなりになっても同額の保険金が受け取ることができる保険です。

このような高い貯蓄性があることから、養老保険は、定期保険や終身保険に比べて、最も保険料が高くなってしまいます。

 

 

法人が加入する養老保険とは

株式会社などの法人が加入する養老保険とは、
法人が保険の契約者になって、社長など会社役員や従業員を被保険者とする養老保険のことをいいます。

養老保険は、
保険期間に被保険者がお亡くなりになった場合には死亡保険金、
被保険者がご存命のまま保険期間が満了した場合には満期保険金、
という同額の保険金を受け取ることができるため、高い貯蓄性がある保険になります。

そのため会社の資産運用や資産形成に向いている保険商品です。

また、死亡保険金の受取人を被保険者の遺族、満期保険金の受取人を法人にすれば、法人が支払う保険料については、その半分を会社の損金(税金計算上の経費)にすることができるため、節税にも利用されています。

 

 

法人が加入する養老保険の税務上の取扱いと経理処理

法人が加入する養老保険の税務上の取扱いと経理処理は、死亡保険金と満期保険金(生存保険金))の受取人が、法人なのか被保険者の遺族なのかによって、次のように区分されます。

 

死亡保険金と満期保険金の受取人が両方とも法人の場合

死亡保険金と満期保険金の受取人が両方とも法人の場合は、法人が支払った保険料は、保険料積立金として資産計上します。

本契約(養老保険)に疾病などの特約がついている場合は、その特約部分の保険料については、期間の経過に応じて支払保険料として費用計上します(税金計算上の損金になります)。

 

死亡保険金と満期保険金の受取人が両方とも被保険者本人または被保険者の遺族の場合

死亡保険金と満期保険金の受取人が両方とも被保険者本人または被保険者の遺族の場合は、法人が支払った保険料は、その役員又は使用人に対する給与となり、給与所得として税金がかかってしまいます。

なお、給与とされた保険料は、その役員又は使用人の生命保険料控除の対象となります。

役員に対する給与とされる保険料の額で法人が経常的に負担するものは、定期同額給与となります。

傷害特約などの特約がある場合は、その特約部分の保険料についても、期間の経過に応じて損金にすることができます。

 

死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、生存保険金の受取人が法人の場合

死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、生存保険金の受取人が法人の場合は、支払った保険料のうち、
その2分の1は、保険料積立金として資産計上して、
残りの2分の1は、期間の経過に応じて福利厚生費などの損金の額に算入します。

ハーフタックスプラン、2分の1養老保険などとも言われる契約方法で、法人で養老保険に加入する場合は、このパターンが多いと思います。

ただし、特定の役員や従業員だけを被保険者とする場合は、福利厚生費ではなく給与となり、給与所得として税金がかかってしまいます。

なお、給与とされた保険料は、その役員又は使用人の生命保険料控除の対象となります。

役員に対する給与とされる保険料の額で法人が経常的に負担するものは、定期同額給与となります。

傷害特約などの特約がある場合は、その特約部分の保険料についても、期間の経過に応じて損金にすることができます。

 

 

おわりに

養老保険は、上手に使えば会社の節税や資産形成に役に立ちます。養老保険の加入をお考えの場合は、保険料というキャッシュアウト、保険金というキャッシュイン、そして節税となる税効果の金額を総合的に勘案してくださいね。

港区や渋谷、新宿など東京23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や会計、そしてビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

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終身保険 | 法人が加入する保険の経理と税金

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区や渋谷、新宿など東京23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が税金・節税や会計・経理などについて解説します。

今回は、株式会社などの法人が加入する終身保険に関する経理処理と税金について説明したいと思います。

 

 

 

終身保険とは

終身保険とは、保険期間がない、すなわち一生涯に渡って保障される死亡保険になります。

保険の対象である被保険者がお亡くなりになった時に、ご遺族などの保険金受取人に死亡保険金が支払われます。

保険期間に限りのある定期保険は、保険料は基本的に掛け捨てになります。

対して、保険期間の定めがなく一生涯保障される終身保険は、いわば保険金を必ず受け取ることができるため、定期保険に比べて保険料も高くなります。

 

 

法人が加入する終身保険とは

株式会社などの法人が加入する終身保険とは、
法人が保険の契約者になって、社長など会社役員や従業員を被保険者とする終身保険のことをいいます。

終身保険は、いずれは必ず保険金を受け取ることができるという性質から、貯蓄性がある保険になります。

そのため、支払う保険料は会社の損金(税金計算上の経費)にはならずに、会社の資産になります。

よって、終身保険は会社の節税には利用しづらいですが、会社の資金運用や資産形成などには向いている保険商品であるといえます。

 

 

法人が加入する終身保険の税務上の取扱いと経理処理

法人が加入する長期平準定期保険の税務上の取扱いと経理処理は、死亡保険金の受取人が法人なのか、被保険者の遺族なのかで次のようになります。

 

死亡保険金の受取人が法人

死亡保険金を受け取るのが法人である場合、法人が支払った保険料は、保険料積立金として資産計上します。

本契約(終身保険)に疾病などの特約がついている場合は、その特約部分の保険料については、期間の経過に応じて支払保険料として費用計上します(税金計算上の損金になります)。

 

死亡保険金の受取人が被保険者の遺族

死亡保険金を受け取るのが被保険者の遺族である場合、法人が支払った保険料は、期間の経過に応じて損金(税金計算上の経費)になります。

傷害特約などの特約がある場合は、その特約部分の保険料についても、期間の経過に応じて損金にすることができます。

ただし、死亡保険金の受取人が被保険者の遺族である終身保険で、その終身保険が特定の役員や従業員だけを被保険者としている場合は、法人が支払った保険料は、その特定の役員や従業員に対する給与になってしまいます。

同様に、特定の役員や従業員だけが傷害特約等に係る給付金の受取人になっている場合には、その特約部分の保険料も、その特定の役員や従業員に対する給与になってしまいます。

なお、給与になってしまった保険料については、その特定の役員・従業員本人の所得税における生命保険料控除の対象になります。

役員に対する給与とされる保険料で、法人が経常的に負担するものは、役員の定期同額給与になりますのでご注意ください。

 

 

終身保険の経理処理の例

保険契約者・・・法人
保険金受取人・・・法人
被保険者・・・代表取締役
被保険者の保険加入時の年齢・・・40歳
保険料の払込み期間・・・20年
(保険期間満了時の被保険者の年齢・・・60歳)
保険期間・・・終身(一生涯)
年間の支払い保険料・・・80万円

年間保険料として80万円支払った。

借方 貸方
保険料積立金(資産) 800,000円 現金 800,000円
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

おわりに

終身保険は、その名のとおり保険期間に定めがありません。そのため、支払う保険料の総額と受け取る保険金を時系列で管理して、会社の実情に合っているか定期的に見直すことも大切です。

港区や渋谷、新宿など東京23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や会計、そしてビジネスやファイナンスにも強い公認会計士・税理士が、あなたの事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。

長期平準定期保険 | 法人が加入する保険の経理と税金

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士がビジネスや税金・節税などについて解説します。

 

今回は、株式会社などの法人が加入する長期平準定期保険に関する経理処理と税金について説明したいと思います。

 

 

 

長期平準定期保険とは

定期保険とは、一定の保険期間内に被保険者がお亡くなりになった場合にだけ死亡保険金を受け取ることができる生命保険のことをいいます。

そして長期平準定期保険とは、保険期間が長期にわたり、かつ、支払う保険料が均等になるように設定された定期保険のことをいいます。
例えば、100歳が保険期間の満期になるように設定されます。

 

 

法人が加入する長期平準定期保険とは

株式会社などの法人が加入する長期平準定期保険とは、
法人が契約者になって、社長など会社役員や従業員を被保険者とする長期平準定期保険のことをいいます。

解約返戻率 ( 解約返戻金 ÷ 支払った保険料の総額 ) が高いことから、社長など会社役員の退職金に充てるためなどに利用されます。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した長期平準定期保険のイメージ

 

法人が加入する長期平準定期保険の目的

法人が長期平準定期保険に加入する主な目的として次のようなものが挙げられます。

 

役員退職金に充てるため

経営者などの退職時期に解約返戻率のピークがくるように長期平準定期保険を設計することで、解約返戻金を役員退職金の原資として利用することができます。

役員退職時に役員退職金として一括で多額のキャッシュアウトが発生すると資金繰りが大変になります。
長期平準定期保険に加入して長期間にわたって少しずつ保険料を払込み、役員退職時に保険を解約して受け取る解約返戻金を役員退職金に充てれば、キャッシュアウトも平準化されて資金繰りが楽になります。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した長期平準定期保険と役員退職金のイメージ

 

節税のため

税法上の長期平準定期保険に該当するように保険設計すれば、支払った保険料の一部が損金(税金を計算する上で経費として認めてもらえること)になるので節税になります。

 

その他

その他にも、保険の本来の目的である万が一の事態に備えるという死亡保障の機能もありますし、契約者貸付制度も利用できます。

 

 

税務上の長期平準定期保険とは

税務上の長期平準定期保険とは、次の3つの条件をすべて満たす定期保険をいいます。

  • 保険期間満了時の被保険者の年齢が70歳を超える
  • 保険加入時の被保険者の年齢 + ( 保険期間 × 2 ) > 105
  • 逓増定期保険に該当しない

 

例えば、

 

保険加入時の被保険者の年齢 50歳
保険期間 80歳まで(30年間)
の場合は、税務上の長期平準定期保険になります。
保険期間満了時の年齢 = 80歳 > 70歳 ○
50歳 + 30年 × 2 = 100 > 105 ○

 

保険加入時の被保険者の年齢 50歳
保険期間 75歳まで(25年間)
の場合は、税務上の長期平準定期保険になりません。
保険期間満了時の年齢 = 75歳 > 70歳 ○
50歳 + 25年 × 2 = 110 < 105 ×

 

 

長期平準定期保険の税務上の取扱いと経理処理

法人が加入する長期平準定期保険の税務上の取扱いと経理処理は、次のようになります。

 

保険期間の前半の6割の期間(保険期間が30年であれば前半18年)

支払った保険料の半分を、前払保険料として資産に計上します。
支払った保険料のもう半分を、支払保険料として損金(経費)に計上します。

 

保険期間の後半の4割の期間(保険期間が30年であれば後半12年)

支払った保険料の全額を損金(経費)に計上します。
保険期間の前半6割の期間に前払保険料として資産計上していたものを、保険期間の経過に応じて損金(経費)に振り替えます。

 

 

経理処理の例

保険契約者・・・法人
保険金受取人・・・法人
被保険者・・・代表取締役
被保険者の保険加入時の年齢・・・50歳
保険期間・・・30年(保険期間満了時の被保険者の年齢・・・80歳)
年間の支払い保険料・・・1,000,000円

 

 

保険期間の前半の6割の期間(加入時から18年目まで)

借方 貸方
前払保険料(資産) 500,000円 現金 1,000,000円
支払保険料(経費) 500,000円

年間の支払い保険料1,000,000円のうち
半分の500,000円は前払保険料(資産)になります。
もう半分の500,000円は支払保険料(経費)になります。

 

 

保険期間の後半の4割の期間(19年目から30年目まで)

借方 貸方
支払保険料(経費) 1,000,000円 現金 1,000,000円
支払保険料(経費) 750,000円 前払保険料(資産) 750,000円

年間の支払保険料1,000,000円は全額が支払保険料(経費)になります。
保険期間の前半6割の期間で前払保険料(資産)として計上されていた9,000,000円(500,000円×18年間)を、年間750,000円(9,000,000円÷12年間)ずつ支払保険料(経費)に振り替えていきます。

 

 

加入から25年後に解約して解約返戻金22,500,000円を受け取った

借方 貸方
現金 22,500,000円 雑収入 18,750,000円
前払保険料(資産) 3,750,000円

前払保険料(資産)として計上されていた3,750,000円(9,000,000円-750,000円×7年)を取り崩して、受け取った解約返戻金との差額を雑収入として計上します。

 

 

加入から10年後に代表取締役に不幸があり死亡保険金として25,000,000円を受け取った

借方 貸方
現金 25,000,000円 雑収入 20,000,000円
前払保険料(資産) 5,000,000円

前払保険料(資産)として計上されていた5,000,000円(500,000円×10年間)を取り崩して、受け取った保険金との差額を雑収入として計上します。

 

 

おわりに

長期平準保険は、その名のとおり保険期間が長期になります。保険期間トータルでのお金の流れをしっかりと計画して出口戦略を立ててから加入してくださいね。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなた事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

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税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

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定期保険 | 法人が加入する保険の経理と税金

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士がビジネスや税金・節税などについて解説します。

 

今回は、株式会社などの法人が支払う定期保険の保険料に関する経理処理と税金について説明したいと思います。

 

 

 

定期保険とは

定期保険とは、一定の保険期間内に被保険者がお亡くなりになった場合にだけ死亡保険金を受け取ることができる生命保険のことをいいます。

解約した時に受け取ることができる解約返戻金や、保険期間満期時に生きていたら受け取ることができる満期保険金はありません。このように、支払う保険料は掛け捨てになり基本的に貯蓄性はありませんが、その分だけ支払う保険料は安くなります。

 

 

法人が加入する定期保険とは

株式会社などの法人が加入する定期保険とは、
法人が定期保険の契約者になって、社長など会社役員や従業員を被保険者とする定期保険のことをいいます。

 

 

定期保険の税務上の取扱いと経理処理

法人が加入する定期保険の税務上の取扱いと経理処理は、死亡保険金を受け取るのが誰であるのかで分けられます。

 

定期保険の税務処理
契約者 被保険者 死亡保険金受取人 支払い保険料
法人 役員・従業員 法人 損金
法人 特定の役員のみ 法人 損金
法人 特定の従業員のみ 法人 損金
法人 役員・従業員 役員・従業員の遺族 損金
法人 特定の役員のみ 特定の役員の遺族 定期同額給与
法人 特定の従業員のみ 特定の従業員の遺族 損金(ただし給与)

 

 

死亡保険金の受取人が法人

死亡保険金を受け取るのが法人である場合、法人が支払った保険料は、期間の経過に応じて損金(税金計算上の経費)になります。

傷害特約などの特約がある場合は、その特約部分の保険料についても、期間の経過に応じて損金にすることができます。

 

 

死亡保険金の受取人が被保険者の遺族

死亡保険金を受け取るのが被保険者の遺族である場合、法人が支払った保険料は、期間の経過に応じて損金(税金計算上の経費)になります。

傷害特約などの特約がある場合は、その特約部分の保険料についても、期間の経過に応じて損金にすることができます。

 

ただし、死亡保険金の受取人が被保険者の遺族である定期保険で、その定期保険が特定の役員や従業員だけを被保険者としている場合には、法人が支払った保険料は、その特定の役員や従業員に対する給与になってしまいます。同じく、特定の役員や従業員だけが傷害特約等に係る給付金の受取人になっている場合には、その特約部分の保険料は、その特定の役員や従業員に対する給与になってしまいます。

なお、給与になってしまった保険料については、その特定の役員・従業員本人の所得税における生命保険料控除の対象になります。

役員に対する給与とされる保険料で、法人が経常的に負担するものは、役員の定期同額給与になりますのでご注意ください。

 

 

おわりに

保険会社や税理士などから、法人契約の生命保険の提案を受けることがあると思います。目先の節税効果などに惑わされずに、本当に必要な保険なのか、保険期間を通して本当に得するのか(キャッシュが増えるのか)、どのようなリスクがあるのか、などよく検討するとともに第三者の意見も聞くなどして加入の判断をしてくださいね。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区で、起業をお考えの方や起業して日が浅い方がいらしたら、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い公認会計士・税理士が、あなた事業が持続的に成長するお手伝いをさせて頂きます。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
税金や節税、起業などについて、皆様のお役に立てる情報があるかもしれませんので、よろしかったら情報の一覧もご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。