税理士業界の広告事情

はじめに

こんにちは、東京都港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

昔は規制されていた税理士の広告、それが原則的に自由になったのは2002年のことです。
今回は、そんな税理士業界の広告事情について書いてみたいと思います。

 

守られていた税理士業界

税理士の広告が規制されていたということは、裏返すと積極的な広告活動から守られていた業界であったとも言えます。広告ができないため、積極的な営業活動はできませんが、その代わりに他の税理士に顧客を取られてしまうことも少なく、一度顧客がついたら安泰という状況でした。そのため、昔から活動しているベテラン税理士には有利で、新人税理士には厳しい業界であったと言えます。

 

2002年の税理士法改正

税理士の広告は長い間規制されており、事務所名や住所・電話番号くらいしか広告できませんでした。それが、独占禁止法における不当な取引制限の禁止規定上の問題があるとして、2002年の税理士法の改正で広告規制の撤廃、税理士の広告が原則的に自由化されて今日に至ります。

 

広告自由化により税理士業界も競争激化

そんな守られていた税理士業界でしたが、広告の原則自由化により競争が激化することになります。広告自由化に柔軟に対応できた税理士は、積極的な広告活動で、顧客をどんどん増やしていったのです。積極的に自分をアピールできる税理士が有利になってきたのです。

 

禁止される広告もあります

税理士の広告を完全に自由にすると、過度な広告で税理士の品位が低下する恐れがあります。そのため多少の広告規制は存在します。

下記に禁止されている広告の例をあげます。

事実に合致していない広告

  • 経歴等を偽る
  • 実在しない人物や団体などの推薦文を載せる

誤導又は誤認のおそれのある広告、誇大又は過度な期待を抱かせる広告

  • 割安な報酬で引き受けます
  • 巧みに節税します
  • 最高の税務知識を提供します
  • 税務問題をたちどころに解決します
  • 税務調査が省略になります。
  • ○○税理士会会長経験による豊富な人脈・情報

特定の税理士や税理士法人と比較した広告

  • ○○事務所や税理士法人より豊富なスタッフがいます
  • △△を宣伝文句にしている○○事務所や税理士法人より、当事務所、税理士法人は△△で優れています。

税理士の品位又は信用を損なうおそれのある広告

  • 税の抜け道、抜け穴教えます
  • 究極の節税テクニック
  • 元大物OB税理士

上記以外にも禁止されている広告はたくさんあります。税理士さんのホームページを拝見すると、禁止事項にあたる表現もけっこう見受けられます。

 

広告活動に対する私たちのスタンス

新しいお客様はもちろん欲しいです。しかし私たちは広告活動をほとんどやっていません。
ダイレクトメールやチラシ、リスティング広告やバナー広告などのネット広告もやっていませんし、税理士紹介会社を通じた宣伝などもやっていません。やっていることといったらホームページを開設していることくらいでしょうか。

広告活動によりお客様が増えることは大変喜ばしいことですが、お客様の数の急激な増加に対応できなければサービスの品質が下がってしまいます。お客様の増加は、しっかりとサービスを提供できる範囲で、事務所の拡大とバランスをとってすすめて行きたいと思います。このように言葉で言うのは簡単なのですが、人を増やすのが先か、仕事を増やすのが先か、これがなかなか難しいのですよね。

 

おわりに

税理士の広告が原則自由になった2002年は私が公認会計士2次試験に合格した年でした。懐かしくもあり、ついこの前の出来事のようにも感じます。初心を忘れず、これからも勇往邁進していきたいと思います。

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。