スポーツクラブの会費は経費にできるか?

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

皆さんはスポーツクラブに通っていますか?私は港区のとあるスポーツジムに週2のペースで通っています。行き始めた当初は理由をつけてサボることもありましたが、今では行かないと鈍って調子が悪くなってしまう身体になってしまいました。

そこで今回は、お客様にもよく質問されることで税理士の間でも意見の分かれる、スポーツクラブの会費は経費にできるのかどうか、というお話をしたいと思います。

 

福利厚生費にあたるのか?

スポーツクラブの会費が、フリーランス・個人事業主の必要経費、法人の損金になるとした場合、その勘定科目は福利厚生費なると思います。
ここで福利厚生費とは、簡単に言うと役員や従業員の仕事への意欲を高めるために支出される給料以外のものをいいます。
スポーツクラブの会員になることで、心身がリフレッシュされ仕事への意欲が高まる人もいるため、福利厚生費として経費にしても良さそうな気がしますね。

ここで問題となるのは、福利厚生の対象として、フリーランス・個人事業主本人、法人の役員が含まれるかどうかということです。

 

フリーランス・個人事業主本人は残念ですがダメ

フリーランス・個人事業主本人は、福利厚生の対象には含まれません。フリーランス・個人事業主は、福利厚生を受ける側ではなく、授業員に対して福利厚生を行う側であるためです。
そのためフリーランス・個人事業主が本人の個人名義で会員として払っているスポーツクラブの会費は、残念ですが必要経費にはなりません。

本人の個人名義ではなく、事務所・屋号名義でスポーツクラブの会員になって、従業員が使用した分については必要経費になるでしょう。この場合でもフリーランス・個人事業主の利用分は必要経費にはなりません。従業員といっても家族従業員は、フリーランス・個人事業主と同じく必要経費にはならないでしょう。

 

法人は時と場合によります

フリーランス・個人事業主とは異なり、法人の役員に対しては福利厚生という概念はあります。
そのため、役員の個人会員ではなく法人会員になり、役員や従業員の全員が分け隔てなく利用できる場合は、法人の損金として計上できるでしょう。

しかし、税務署は形式ではなく実質で判定します。

例えば・・・

役員1人で従業員ゼロの1人株式会社の場合であっても、法人格をもつ株式会社と、役員は形式的には別人格です。よって1人株式会社であっても、役員に対する福利厚生というものは形式的には存在します。
しかし実質には福利厚生をする側とされる側が同一です。そのため福利厚生費は認められず給与とみなされ税金がかかってしまいます。同じように家族役員、家族従業員に対する福利厚生費も認められず給与とみなされ税金がかかってしまいます。

形式的には、役員や従業員が自由にスポーツクラブを利用できる状態にあったとしても、実質的には特定の役員や従業員のみが利用している場合は、その役員・従業員に対する給与とみなされ税金がかかってしまいます。

 

なぜ給与になるとダメなのか?

上記において「福利厚生費とは認められず給与とみなされ税金がかかってしまいます」という表現をしています。なぜ給与になると税金がかかってしまうのでしょうか。
役員の場合、給与の額は前もって決まっている分しか法人の損金として認められません。追加の給与は、役員本人の源泉所得税が増えるだけでなく、法人の損金にならないため税金が余計に発生してしまうのです。
なお、従業員の場合、追加の給与で従業員本人の源泉所得税が増えますが、法人の損金にはなるので役員の場合ほど痛手はありません。

 

スポーツクラブの会費を福利厚生費にするには

  • 個人会員ではなく、事務所や法人が会員になること(従業員が個人会員になって、あとで経費精算するようなやり方は、従業員の給与とされて税金がかかってしまいます)
  • 全ての従業員が差別なく自由に利用できる環境にあり、このことを明確にするためにスポーツクラブ利用規程を作っておく。
  • いつ、誰がスポーツクラブを利用したのかが分かるように記録して残しておく

 

意見はいろいろ

個人事業主や役員のスポーツクラブの会費を経費にできるかどうかについては、ネットで調べても色んな意見が出てきます。税理士の間でも、経費にできない派と経費にできる派にわかれています。

私見ですが、個人事業主や会社を代表する役員のスポーツクラブの会費は福利厚生費として経費にできません。福利厚生をする側とされる側が実質的に同一であるからです。税務署は形式ではなく実質で判断します。

 

経費にする裏ワザ

スポーツクラブの会費をフリーランス・個人事業主、法人役員の福利厚生費にはできませんが、その他の経費にできる可能性があります。福利厚生として仕事へのモチベーション、労働意欲を高めるためにスポーツクラブに行くのではなく、仕事の受注など直接の業務のために行くのです。

例えば・・・

高級商材を扱っており、高級スポーツクラブの会員になって、そこの会員間のコミュニテイから仕事を受注するため。この場合は交際費になるかもしれません。

スポーツ用品をスポーツクラブに卸すことを目的に、そのスポーツクラブに通ってスタッフとの親睦をはかるため。この場合も交際費になるかもしれません。

などなど、福利厚生ではなく、業務目的でスポーツクラブに通っており、その事を税務調査の際に説明して調査官を納得させることができれば、経費と認めてくれるかもしれません。スポーツクラブの利用で実際に仕事の受注を受けるなど、成果が上がっていれば説得力も増すでしょう。

 

おわりに

スポーツクラブの会費を経費にするのは難しいですね。
私もスポーツクラブの会費は会社の経費ではなく自費で払っています。

スポーツクラブつながりで、よろしかったら下記ページも参照ください。
なぜスポーツジムには週1回の定休日があるのか
返金保証のダイエットジムに思うこと

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。