どのような有価証券や預貯金が国外財産になるのか | 国外財産調書制度-3

はじめに

こんにちは、東京港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が税金や節税について解説します。

 

非永住者以外の居住者で、その年の12月31日時点で5,000万円を超える国外財産を持っている人は、税務署に国外財産調書を提出して申告する必要があります。

国外財産調書制度の概要については下記ページを参照ください。
5,000万円超の海外資産がある人は申告が必要 | 国外財産調書制度-1
国外財産調書を提出しない場合の罰則などについては下記ページを参照ください。
5,000万円超の海外資産の申告にかかる罰則 | 国外財産調書制度-2

 

今回は、この国外財産調書についてどのような有価証券や預貯金が国外財産調書に記載する対象になるのかについて説明します。

 

国外財産調書の対象になる有価証券

有価証券等(社債や株式など)が国外財産調書の対象になるかどうかは、
金融商品取引業者等(銀行や証券会社、保険会社など)の口座にある有価証券等については、
その口座が開設された金融商品取引業者等の営業所等がある場所がどこかによって判定されます。

 

有価証券等の判定を整理すると下表のようになります。

国内有価証券等 外国有価証券等
国内金融機関の口座で管理 国外財産調書の対象外 国外財産調書の対象外
国外金融機関の口座で管理 国外財産調書の対象 国外財産調書の対象
上記以外で管理 国外財産調書の対象外 国外財産調書の対象

 

 

「国内有価証券等」とは、本社(本店又は主たる事務所)が日本国内にある法人が発行する有価証券をいいます。
「外国有価証券等」とは、本社(本店又は主たる事務所)が日本国外にある法人が発行する有価証券をいいます。
「国内金融機関の口座」とは、国内にある金融商品取引業者等の営業所等に開設した口座をいいます。
「国外金融機関の口座」とは、国外にある金融商品取引業者等の営業所等に開設した口座をいいます。
「上記以外で管理」とは、例えば金融機関でない者に預けたり、家のタンスの中で管理しているようなものが該当します。

 

国内有価証券等であっても、国外金融機関の口座で管理しているものは、国外財産調書の対象になる国外財産に該当するので注意してください。

逆に、外国有価証券等であっても、国内金融機関の口座で管理しているものは、国外財産調書の対象になる国外財産には該当しません。

 

金融機関の口座にある有価証券等が国外財産に該当するかどうかは、「何を持っているか」ではなく「どこで持っているか(管理しているか)」で判定することになります。

 

 

国外財産調書の対象になる預貯金

預貯金が国外財産調書の対象になるかどうかは、
その預貯金を預け入れている金融機関の営業所や事業所がある場所がどこかによって判定されます。
円建ての預貯金、外貨建ての預貯金かどうかでは判定されません。

 

例えば、
外国の銀行の日本国内にある支店に開設した口座に預け入れている外貨預金は、国外財産調書の対象にはなりません。
日本の銀行の海外にある支店に開設した口座に預け入れている円建て預金は、国外財産調書の対象になります。

 

金融機関の口座に預け入れている預貯金が国外財産に該当するかどうかは、「円建て、外貨建て」ではなく、「どこに預け入れいているか」で判定することになります。

 

 

おわりに

有価証券等や預貯金の国外財産の判定は少しややこしいですよね。繰り返しになりますが、「何を持っているか」ではなく、「どこで持っているか」で判定して下さい。

 

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。