5,000万円超の海外資産の申告にかかる罰則 | 国外財産調書制度-2

はじめに

こんにちは、東京港区税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区、渋谷区、新宿区など東京都23区のベンチャー企業や起業家様を支援している公認会計士・税理士が税金や節税について解説します。

 

非永住者以外の居住者で、その年の12月31日時点で5,000万円を超える国外財産を持っている人は、税務署に国外財産調書を提出して申告する必要があります。

国外財産調書制度の概要については下記ページを参照ください。
5,000万円超の海外資産がある人は申告が必要 | 国外財産調書制度-1

 

今回は、この国外財産調書を提出しない場合などに受ける5,000万円超の海外資産の申告にかかる罰則について説明します。

 

 

国外財産調書を期限内に提出した場合のメリット

国外財産調書を期限内に提出した場合は、次のようなメリット・インセンティブがあります。

 

国外財産調書を期限内に提出した場合は、
国外財産調書に記載されている国外財産についての所得税・復興特別所得税・相続税の申告漏れがあったときであっても、
その国外財産についての申告漏れにかかる部分の過少申告加算税・無申告加算税が5%減額されます。

 

過少申告加算税や無申告加算税について下記ページを参照ください。
附帯税-過少申告、無申告、延滞などのペナルティ・罰金

 

 

国外財産調書を期限内に提出しなかった場合のデメリット

国外財産調書を期限内に提出しなかった場合は、次のようなデメリット・ペナルティがあります。

 

国外財産調書を期限内に提出しなかった場合は、
その国外財産についての所得税・復興特別所得税の申告漏れがあったときは、その国外財産についての申告漏れにかかる部分の過少申告加算税・無申告加算税が5%加重されます。
( 相続税及びお亡くなりになった方の所得税・復興特別所得税については、過少申告加算税・無申告加算税の5%加重はありません。)

 

 

過少申告加算税や無申告加算税について下記ページを参照ください。
附帯税-過少申告、無申告、延滞などのペナルティ・罰金

 

 

期限内に提出した国外財産調書の記載が不十分の場合のデメリット

国外財産調書を期限内に提出した場合であっても、
提出された国外財産調書に記載しなければならない国外財産の記載がない場合や、
重要な事項の記載が不十分と認められる場合については、
上記の国外財産調書を期限内に提出しなかった場合と同様のデメリット・ペナルティがあります。

 

 

期限後に提出した国外財産調書の取り扱い

提出期限を過ぎた後に国外財産調書を提出した場合であっても、
その国外財産についての所得税・復興特別所得税・相続税について、
税務調査が入ることによって更正や決定があることを予想して提出されたものでないときは、
その提出期限を過ぎた後に提出された国外財産調書は提出期限内に提出したものとみなされます。

 

したがって、提出期限を過ぎた後に国外財産調書を提出した場合であっても、国外財産についての所得税・復興特別所得税・相続税にかかる申告漏れがあったときにおける過少申告加算税・無申告加算税の5%減額の優遇措置の適用を受けることができる場合があります。

 

税務調査が入るという連絡を受けてから慌てて国外財産調書を提出してもダメですが、税務調査が入ることを予想していない状態であるならば、提出期限が過ぎていても国外財産調書を提出すれば税金ペナルティが軽減される優遇措置を受けられる可能性があります。
うっかり提出を忘れていた人は、たとえ提出期限を過ぎていたとしても国外財産調書を提出してくださいね。

 

 

国外財産調書にかかる罰則

国外財産調書を提出しなかったり、国外財産調書に偽りの記載をして提出した場合は、税金のペナルティだけでなく下記のような罰則もあります。

 

国外財産調書を提出しなかった場合の罰則

正当な理由がなく3月15日の提出期限内に国外財産調書を提出しなかった場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処することとされています。

この罰則については、平成27年1月1日以後に提出すべき国外財産調書にかかる違反行為について適用されます。

ただし、情状により処罰する必要がないと認められるときには、刑を免除することができるとされています。

 

国外財産調書に偽りの記載をして提出した場合の罰則

国外財産調書に偽りの記載をして提出した場合は、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処することとされています。

この罰則については、平成27年1月1日以後に提出すべき国外財産調書にかかる違反行為について適用されます。

なお、国外財産調書に偽りの記載をして提出した場合は、国外財産調書を提出しなかった場合のような情状による刑の免除はありません。

 

 

おわりに

国外財産調書を提出しない場合のデメリットは大きいです。国外財産調書の提出は面倒ですがメリットもありますので、該当する方は忘れずに税務署に提出して申告してくださいね。

 

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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。