会社設立の手続き-登記-4-本店所在地決定書の書き方

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

公認会計士・税理士として、港区や渋谷区、新宿区といった東京23区の起業家様の会社設立をサポートしてきた経験から、会社設立時のポイントをお伝えしたいと思います。

 

今回は、会社設立登記を申請する手続きとして、申請書類のひとつである本店所在地決定書の書き方について説明します。

 

 

本店所在地決定書が必要となる場合

本店所在地決定書は必ず作成しなければならない書類ではありません。

 

本店の所在地を定款において、

(本店の所在地)
第○条 当会社は、本店を東京都港区南青山1丁目1番○号に置く。

のように、詳細な住所まで記載している場合は、本店所在地決定書は不要です。

 

本店の所在地を定款において、

(本店の所在地)
第○条 当会社は、本店を東京都港区に置く。

のように、最小行政区画である市区町村までの記載しかしていない場合は、本店所在地決定書を作成して、詳細な住所まで定める必要があります。

 

 

本店所在地の詳細まで定款に定めるべきか

本店所在地の詳細を定款で定めるべきなのでしょうか。それとも、定款には最小行政区画である市区町村までの記載にして、詳細は本店所在地決定書で定めるべきなのでしょうか。

本店所在地を変更すると本店移転登記をしなければなりません。その場合は、数万円の登録免許税や司法書士への手数料がかかってしまいます。

定款の記載が、

(本店の所在地)
第○条 当会社は、本店を東京都港区南青山1丁目1番○号に置く。

の場合は、同じ東京都港区内の引越しであっても、本店移転登記をしなければなりません。

 

しかし、定款の記載が、

(本店の所在地)
第○条 当会社は、本店を東京都港区に置く。

の場合は、同じ東京都港区内での引越しであれば、本店移転登記をする必要はありません。
東京都港区外への引越しの場合のみ、本店移転登記をすることになります。

 

将来的に本店の引越しをどの程度想定しているかで、定款への記載を考えてみてはいかがでしょうか。

 

 

本店所在地決定書の書き方

本店所在地決定書の書き方、記載例は下記のようになります。

 ㊞ ㊞ ㊞

本店所在地決定書

平成○年○月○日、東京都港区南青山1丁目1番○号の株式会社ベンチャーコンサルティング創立事務所において、発起人全員が出席し、その全員の一致の決議により、次のように本店所在地を決定した。

 

1 本店所在地は、東京都港区南青山1丁目1番○号とする。

 

上記の決定事項を証するため、発起人の全員は、次のとおり記名押印する。

 

平成○年○月○日

 

株式会社ベンチャーコンサルティング

発起人 港区一郎 ④ ㊞

発起人 渋谷区太郎 ④ ㊞

発起人 新宿区之助 ④ ㊞

日付

日付は、払込証明書の日付を記載します。

 

本店所在地

会社の本店の住所を省略しないで正確に記載してください。
○ 東京都港区南青山1丁目1番○号
✕ 東京都港区南青山1-1-○

 

会社名

定款に記載している商号を省略しないで正式名称で記載してください。
○ 株式会社ベンチャーコンサルティング
✕ (株)ベンチャーコンサルティング

 

発起人の押印

発起人個人の印鑑登録してある実印で押印します。

 

発起人の押印(捨印)

発起人個人の印鑑登録してある実印で捨印を押印します。

 

決議文章

発起人が複数ではなく1人の場合は、このような記載になります。
「発起人が出席し、次のように本店所在地を決定した。」

 

 

会社設立登記申請の必要書類

会社設立登記の概要につきましては、「会社設立の手続き-登記-1-会社設立登記とは」を参照ください。

会社設立の登記を申請するときには、多くの書類が必要になります。

主な必要書類は下表のとおりです。各書類の詳細な説明につきましては、リンク先のページを参照ください。

会社設立登記申請の必要書類
書類名 必要な場合 詳細を説明したページ
株式会社設立登記申請書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-3-株式会社設立登記申請書の書き方
認証を受けた定款 必ず必要 会社設立の手続き-定款-5-定款の認証
本店所在地決定書 定款に地番までの記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-4-本店所在地決定書の書き方」
払込証明書 必ず必要 会社設立の手続き-登記-2-資本金の払い込みと払込証明書の書き方
資本金の額の計上に関する証明書 金銭以外での出資がある場合  「会社設立の手続き-登記-5-資本金の額の計上に関する証明書の書き方
設立時発行株式に関する発起人の同意書 定款に記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-6-設立時発行株式に関する発起人の同意書の書き方
設立時取締役選任決議書 定款に記載がない場合  「会社設立の手続き-登記-7-設立時取締役(監査役)選任決議書の書き方
設立時監査役選任決議書 監査役を置く場合で定款に定めない場合  「会社設立の手続き-登記-7-設立時取締役(監査役)選任決議書の書き方
設立時代表取締役選定決議書 場合による  「会社設立の手続き-登記-8-設立時代表取締役選定決議書の書き方
設立時取締役の就任承諾書 場合による  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
設立時代表取締役の就任承諾書 場合による  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
設立時監査役の就任承諾書 監査役を置く場合  「会社設立の手続き-登記-9-就任承諾書の書き方
取締役全員の印鑑証明書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-10-印鑑証明書
登記すべき事項を記録した磁気ディスク 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-11-「登記すべき事項」の提出(CD-R)
印鑑届書 必ず必要  「会社設立の手続き-登記-12-印鑑届書の書き方
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

書類を作成したら、登記申請書類の製本をします。

製本については、「会社設立の手続き-登記-13-株式会社設立登記申請書の製本」を参照ください。
登記申請については、「会社設立の手続き-登記-14-法務局で登記の申請を行う」を参照ください。

 

 

おわりに

この本店所在地決定書の記載例は一例です。会社のカタチに合わせて作成してください。

 

港区や渋谷区、新宿区といった東京23区で、会社設立をお考えの方は、東京都港区にある当税理士法人にお声がけください。税金や節税だけでなく、起業して間もない経営者様の支援を得意としている若手の公認会計士・税理士が、あなたとあなたの会社の支援をさせて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。