会社(法人)が納める税金の種類

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

会社(法人)を設立すると、個人事業主やフリーランスのときにはなかった税金を納めなくてはいけません。

また、自分で会社を設立したとしても、建前上は会社からお給料をもらうことになります。そのため、会社として納める税金だけでなく、会社役員として所得税や住民税を払わなくてはいけません。

個人事業主やフリーランスの方が納める税金については「フリーランス、個人事業主が納める税金の種類」を参照ください。

 

会社(法人)が納める税金

会社が納める一般的な税金にはこのようなものがあります。一般的なものでもたくさんあって迷っちゃいますね。正確性よりも、理解しやすいように簡単に説明したいと思います。

国税(国が課税する税金)
法人税 「所得(利益、もうけ)」にかかる税金で税務署に納めます。
地方法人特別税 「所得(利益、もうけ)」にかかる税金で国税ですが、都道府県税事務所に納めます。
消費税 「消費」にかかる税金で税務署に納めます。
地方税(地方自治体が課税する税金)
事業税 「所得(利益、もうけ)」にかかる税金で都道府県税事務所に納めます。
法人住民税(法人都道府県民税) 「所得(利益、もうけ)」にかかる税金で都道府県税事務所に納めます。
法人住民税(法人市町村民税) 「所得(利益、もうけ)」にかかる税金で市町村に納めます。
地方消費税 「消費」にかかる税金で消費税と併せて税務署に納めます。
固定資産税 「土地や家屋の保有」にかかる税金で市町村に納めます。
償却資産税 「土地家屋以外の資産の保有」にかかる税金で市町村に納めます。
出展:税理士法人インテグリティ調べ

 

法人税とは

法人税は、「法人」の所得に対してかかる税金のことをいいます。所得税との違いは、所得税は「個人」の所得に対してかかる税金です。法人が納める税金として頭に浮かぶ方も多いのではないでしょうか。もう少し簡単に言うと、法人税とは「1事業年度の”もうけ”に税率をかけて計算」する税金です。自分で税額を計算して、税務署に申告して納める国税です。

売上ではなく所得(利益、もうけ)にかかる税金なので、売上(益金)1,000円-費用(損金)800円=利益(所得)200円だとすると、1,000円ではなく200円にかかる税金です。

法人税の申告書は作成するのが非常に面倒で難しいので、自分で作成せずに税理士に依頼するのが一般的です。また、中小企業だけが適用できる節税策も多く、税理士の腕の見せどころでもあります。
所得が多い場合は、所得税より税率が低くなるので、フリーランス・個人事業主として所得税を払うよりも、会社を設立した方が節税できます。

 

地方法人特別税とは

地方法人特別税は、地域間の格差を解消するために、地方税である法人事業税の税率を引き下げて、国税である地方法人特別税として新しく作られた税金です。国に納めた地方法人特別税は、地方法人特別譲与税として国から都道府県に渡されます。 法人の「もうけ」に対して事業税が計算され、その事業税に対して地方法人特別税が計算されます。

国税ですが事業税と同様に、自分で税額を計算して、法人住民税、事業税と合わせて都道府県税事務所に申告して納めます。

 

消費税、地方消費税とは

消費税は、モノやサービスの「消費」にかかる税金で、国税である消費税と地方税である地方消費税の2種類ありますが、納付はまとめて税務署で行います。

消費税を支払う人は消費者(スーパーマーケットのお客さん)ですが、納付する人は会社(スーパーマーケット)です。スーパーマーケットのお客さんは食料品を買って代金と消費税をスーパーマーケットに支払います。また、スーパーマーケットでも食料品の仕入れを行ったときには代金とともに消費税を問屋さんに支払っています。このようにスーパーマーケットではお客さんから「預かった消費税」と問屋さんなどに「支払った消費税」があります。そして、スーパーマーケットは「預かった消費税」から、「支払った消費税」をマイナスした額を計算して税務署に納めます。
よく勘違いするところですが、お客から受け取った消費税は、スーパーマーケットの儲けではなく、あくまで預かっているもので後日税務署に納付するものなのです。

売上が小さい場合は、免税事業者として消費税を納める必要がございません。詳しくは税理士に聞いてみて下さい。
このように税金を支払う人と税金を収める人が異なる税金を間接税といいます。
課税取引・非課税取引・不課税取引、原則課税や簡易課税、課税売上割合、輸出免税など、難しい論点が多く、プロである税理士でも間違えることが少なくない税金で、税務調査でも指摘されることが多い税金です。

 

事業税とは

事業税は、会社が都道府県内で事業を行っていることに対して税金がかかるものです。言葉は悪いですが、都道府県内で商売をやっているんだから、もうけに応じて都道府県にショバ代を払えってことですね。

フリーランス・個人事業主が納める個人事業税のように、もうけが少ない場合(290万円以下)の免税はありません。

自分で税額を計算して、法人住民税、地方法人特別税と合わせて都道府県税事務所に法人県民税申告書を提出して納めます。法人税の申告書と同様に、自分で作成せずに税理士に依頼するのが一般的です。

 

法人住民税とは

法人住民税は、法人税税と同じく、もうけにかかる税金です。
法人県民税は、自分で税額を計算して、事業税、地方法人特別税と合わせて道府県税事務所に申告して納めます。
法人市町村民税も自分で税額を計算して、市町村に申告して納めます。
東京都の特別区内の会社は、法人都民税として、自分で税額を計算して、事業税、地方法人特別税と合わせて都税事務所に申告して納めます。
法人税の申告書と同様に、自分で作成せずに税理士に依頼するのが一般的です。

 

固定資産税とは

個人の固定資産税と基本的に変わりはありません。法人として土地や家屋を持っている場合にも当然に固定資産税がかかってきます。

固定資産税は、1月1日に土地、家屋を持っている会社が、その土地、家屋の価格をもとに算定される税額を、その土地、家屋がある市町村に納める税金です。持っている会社なので、貸している会社は該当しますが、借りている会社は関係ありません。
市町村が登記簿をもとに持っている人を特定して、税金を計算して通知してくるので、その通知を待ちましょう。

 

償却資産税とは

個人の償却資産税と基本的に変わりはありません。法人として償却資産を持っている場合にも当然に償却資産税がかかってきます。

償却資産税は、1月1日に土地、家屋以外の資産を持っている会社が、その資産の価格をもとに算定される税額を、その資産がある市町村に納める税金です。何でも資産に当てはまる訳ではなく、カネ、土地、家屋、車以外の値段が高い機械や装置などをイメージして下さい。
登記がある土地、家屋と異なり、その資産を持っている会社を市町村は特定できません。そのため資産を持っている会社は市町村に教えなければいけません。市町村はそれをもとに税額を計算して通知してきます。

 

おわりに

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
その他の税金や節税、起業などについては情報の一覧をご覧ください。

東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。