「法人設立届出書」(都道府県税事務所)書き方記載例(東京都)-会社設立-法人

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

会社設立するために多くの書類を準備して、やっとのこと会社を設立したと思ったら、ひと息つく間もなく会社を設立した直後にも色んな書類を税務署や都道府県、市町村に提出しなければなりません。インターネットや書籍で調べながらこれらの書類を作成することはそれほど難しくはないです。でも、会社を設立した直後、本業でやらなくてはいけないことが山ほどあるのに、書き方をイチから調べて書類の空欄を埋めていく作業はなかなか辛いですよね。

 

そんな起業家の皆様に資するために、公認会計士・税理士として、港区、渋谷区、新宿区など東京23区の起業家様の支援をしてきた知識と経験から、会社を設立したら提出しなければいけない書類について、具体的な書き方をお伝えしたいと思います。

 

今回は、都道府県税事務所に提出する「法人設立届出書」(東京都の場合)の書き方について説明します。

 

「法人設立届出書」(東京都の場合)以外の提出書類につきましては、「会社設立後に提出する書類一覧(税金関係)」を参照ください。

 

税務署に提出する「法人設立届出書」の記載例については、
「法人設立届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
を参照ください。

株式会社などの法人ではなく、フリーランス・個人事業主の方が都道府県税事務所に提出する「個人事業開始等申告書」(東京都の場合)」の記載例については、
「個人事業開始等申告書」(都道府県税事務所)書き方記載例(東京都)-フリーランス・個人事業主
を参照ください。

 

 

 

法人が都道府県税事務所と市区町村役場に提出する「法人設立届出書」とは

株式会社などの法人を設立したら、都道府県税事務所と市区町村役場に「法人設立届出書」を提出します。都道府県と市区町村に法人を設立したことを伝えるためです。

税務署にも同じような「法人設立届出書」を提出したのに、都道府県と市区町村にも届出を行うのは面倒ですよね。しかし、会社が納める税金には国税と地方税があり、税務署は国税、都道府県と市区町村は地方税を扱うので別々に届け出る必要があるのです。

 

 

都税事務所に「法人設立届出書」(東京都の場合)を提出する必要がある法人

東京都内で法人を新たに設立した場合は、所管の都税事務所に「法人設立届出書」を提出する必要があります。

 

 

東京都23区の所管の都税事務所

東京都23区内において、法人が納める地方税である法人事業税・地方法人特別税・法人都民税の課税事務は9つの都税事務所(千代田、中央、港、新宿、台東、品川、渋谷、豊島、荒川)で行っています。

  • 港区にある法人の所管は港都税事務所になります。
  • 渋谷区にある法人の所管は渋谷都税事務所になります。
  • 新宿区にある法人の所管は新宿都税事務所になります。

 

 

東京都23区内の場合は区役所に「法人設立届出書」を提出する必要がありません

市区町村によっては、都道府県税事務所に「法人設立届出書」を提出した場合、市区町村への届出は不要となる場合があります。

東京都23区内で法人を設立した場合は、所管の都税事務所に「法人設立届出書」を提出するだけでよく、各区役所への届出は不要です。

東京都23区外の都内で法人を設立した場合は、原則として各市町村に「法人設立届出書」を提出する必要があります。

 

 

都税事務所に提出する「法人設立届出書」(東京都の場合)の提出期限

都道府県税事務所、市区町村役場に提出する「法人設立届出書」の提出期限は、都道府県市区町村により様々です。

東京都で法人を設立した場合は、事業を開始した日から15日以内に管轄の都税事務所に「法人設立届出書」を提出する必要があります。法人を設立した場合の事業を開始した日は、法人の設立日、すなわち履歴事項全部証明書に記載されている「会社成立の年月日」になります。

ちなみに、税務署に提出する「法人設立届出書」の提出期限は、法人設立日以後2ヶ月以内です。繰り返しになってしまい恐縮ですが、都税事務所に提出する「法人設立届出書」の提出期限は、法人設立日以後15日以内になっており、税務署よりも提出期限が早いので注意してくださいね。

 

 

受付印を押してもらって控えに

「法人設立届出書」を都税事務所に提出するときは、同じ記載内容のものを2部用意してください。

そして、1部を都税事務所に提出して、もう1部には都税事務所の受付印をもらって会社の控えとして保管しておきましょう。

 

 

「法人設立届出書」(東京都の場合)の用紙

東京都内に法人を設立して、都税事務所に「法人設立届出書」(東京都の場合)を提出するときの用紙は東京都主税局のHPにPDFファイルがあるので、それを印刷して使って下さい。
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shomei/houjin/1-1A.pdf

 

 

 

都税事務所に提出する「法人設立届出書」(東京都の場合)の具体的な書き方、記載例

都税事務所に提出する「法人設立届出書」(東京都の場合)の具体的な書き方は下記のようになります。

https://www.integrity.or.jp/wp-content/uploads/2014/06/ee95e57e574dc37135110df61ab51b41.pdf

 

法人設立設置届出書

株式会社などの法人を新規に設立した場合は、設立に○をして、設置は二重線で消してください。

 

提出年月日

都税事務所に「法人設立届出書」を提出する日を、和暦で書きます。

 

都税事務所長、支庁長殿

都税事務所長に○をして、支庁長を二重線で消してください。

「法人設立届出書」を提出する都税事務所名を記載します。

提出先となる所管の都税事務所は、法人の所在地を所管する都税事務所になります。

東京都区内には9つの都税事務所があります。

  • 港区の場合は、港都税事務所です。
  • 渋谷区の場合は、渋谷都税事務所です。
  • 新宿区の場合は、新宿都税事務所です。

所管の都税事務所が分からない場合は、「住所 都税事務所 所管」で検索してみてくださいね。

なお、提出先が都税事務所ではなく支庁長になるのは東京都の島嶼部(とうしょぶ)の場合です。

 

設立

株式会社などの法人を新規に設立した場合は、設立に○をして、設置は二重線で消してください。

 

※整理番号

記載不要です。

 

法人名等

法人名を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

法人名は略称などではなく、登記してある法人の正式名称で書いてください。

 

本店又は主たる事務所の所在地

法人の本店の所在地を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

登記してあるとおりに書いてください。

電話番号も忘れずに書きます。固定電話がない場合は携帯電話番号でも構いません。

 

納税地

基本的に⑦「本店又は主たる事務所の所在地」と同じになるため、その場合は「同上」と書いてください

 

代表者氏名

法人の代表者の氏名を書きます。フリガナも忘れずに書いてください。

法人実印(会社代表者の印、株式会社なら「代表取締役印」と書かれているもの)を押印します。

 

代表者連絡先

法人の代表者の電話番号を書きます。

固定電話がない場合は携帯電話番号でも構いません。

住所は記載不要です。

 

送付先・連絡先

該当する□に✓を入れて、該当する所在地を書いてください。

⑦「本店又は主たる事務所の所在地」と同じにする場合は、「本店所在地」の□に✓を入れて、住所と電話番号は空欄にします。

 

設立設置年月日

株式会社などの法人を新規に設立した場合は、設立に○をして、設置は二重線で消してください。

設立日として、履歴事項全部証明書に記載されている「会社成立の年月日」を書きます。

 

事業年度

事業年度には、定款に記載されている会計年度を書きます。

 

資本金又は出資金の額

登記した資本金の額、履歴事項全部証明書に記載されている「資本金の額」を書きます。

 

資本金等の額

法人税法上の資本金等の額を書きます。

資本金等の額は、資本金の額に一定の加減をした額です。設立時に出資を受けた金額のうち資本金に組み込んでいない額がある場合などが加減する項目になります。

基本的には、⑭資本金の額を書けばOKです。

 

地方税の申告期限の延長の処分(承認)の有無

新たに法人を設立した場合は、無に○をしてください。

 

事業の目的

空欄になります。

 

従業者総数

従業員などの総数を書きます。

 

市内従業者数

この届出を提出する各市町村内の従業者数を書きます。

支店・出張所・工場等

本店以外に、支店や出張所、工場などがある場合は、その名称と住所を書きます。

なければ空欄のままにしてください。

 

設立の形態

フリーランス・個人事業主の方が法人成りして会社を設立した場合は、「1個人企業を法人組織とした法人である場合」の1に○をつけます。

起業して新しく事業を始めるとともに法人を設立した場合は、「5その他()」の5に○をつけます。()には「新規に事業を始めるために金銭出資により設立した法人」などと書いてください。

 

設立の形態が1~4である場合の設立前の個人企業、合併により消滅した法人、分割法人又は出資者の状況

フリーランス・個人事業主の方が法人成りして会社を設立した場合(㉑「設立の形態」で1に○をした方)は、フリーランス・個人事業主の方の氏名、フリーランス・個人事業主の時の納税地、事業内容を書きます。

起業して新しく事業を始めるとともに法人を設立した場合(㉑「設立の形態」で5に○をした方)は、空欄のままにしてください。

 

設立の形態が2~4である場合の適格区分

㉑「設立の形態」が1または5の場合は、空欄のままにしてください。

㉑「設立の形態」が2~4に該当する場合で、適格に該当する場合は適格に○、それ以外の場合はその他に○をしてください。

 

届出ないように該当する□にチェックしてください

新規に本店だけの法人を設立した場合は、□「当該区市町村にのみ事務所等を有する法人」にチェックしてください。

 

添付書類等

基本的には、1、2に○をするだけで構いません。

  1. 定款等の写し
  2. 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)

 

関与税理士

都税事務所に「法人設立届出書」を提出する段階で、関与税理士、顧問税理士が決まっている場合は、その税理士の氏名と税理士事務所の住所電話番号を書きます。

関与税理士、顧問税理士がいない場合は空欄にしてください。

 

事務所所在地

都税事務所に「法人設立届出書」を提出する段階で、関与税理士、顧問税理士が決まっている場合は、その税理士の事務所の住所電話番号を書きます。

関与税理士、顧問税理士がいない場合は空欄にしてください。

 

設立した法人が連結子会社である場合

設立した法人が連結子会社に該当しなければ空欄のままにしてください。

 

税理士署名押印

都税事務所に「法人設立届出書」を提出する段階で、関与税理士、顧問税理士が決まっているなどで、「法人設立届出書」を税理士に作成してもらった場合は、は、その税理士に署名と押印をしてもらいます。

「署名」とあるので、税理士本人の自筆になります。

 

事業種目

定款等に記載されている事業の目的のうち、主なものを書いてください。

製造業の場合は、製造業にチェックを入れます。

製造業以外の場合は、その他にチェックを入れて、( )に事業種目を書きます。

 

※処理欄

都税事務所が処理のために使う欄であるため、空欄のままにしてください。

 

 

法人設立届出書の添付書類

都税事務所に「法人設立届出書」を提出する際は、下記2つの書類を一緒に提出します。

  • 定款の写し
  • 履歴事項全部証明書

 

 

会社設立後の提出書類一覧

会社設立後に提出する書類の一覧を表でまとめました。

書類名 提出先 詳しい内容や記載例のリンク先
法人設立届出書 税務署 「法人設立届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
法人設立届出書 都道府県税事務所市町村役場 「法人設立届出書」(都道府県税事務所)書き方記載例(東京都)-会社設立-法人
減価償却資産の償却方法の届出書 税務署 「減価償却資産の償却方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
棚卸資産の評価方法の届出書 税務署 「棚卸資産の評価方法の届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
給与支払事務所等の開設届出書 税務署 「給与支払事務所等の開設届出書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 税務署 「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
青色申告の承認申請書 税務署 法人税の「青色申告の承認申請書」(税務署)書き方記載例-会社設立-法人
作成 : 東京都港区の税理士法人インテグリティ

 

 

おわりに

「法人設立届出書」を自分で書いて都税事務所に提出するのも良いですが、会社設立をしたなら、税理士に相談してみてください。会社設立の前後は顧問税理士を探す良いタイミングです。提出書類についてだけではなく、様々なアドバイスをしてくれるはずですよ。

 

港区、渋谷区、新宿区など東京23区で会社設立をお考えの方、または会社設立したばかりの方は、東京都港区にある当社にお声がけください。税金だけでなく、ビジネスやファイナンスに強い若手の公認会計士・税理士が起業家様の良きパートナーとして事業をサポートさせて頂きます。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。