フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-2

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

 

3回にわたってフリーランス・個人事業主と法人(株式会社)のメリットとデメリット、そしてフリーランス・個人事業主から会社設立するタイミングを考えてみたいと思います。

 

今回は、法人成り、法人(株式会社)のメリットデメリットについてまとめてみます。

 

 

法人(株式会社)のメリット

フリーランス・個人事業主と比較した場合の、法人(株式会社)主なメリットは下記のとおりです。

  1. 社会的信用があります。
  2. 有限責任です。1人で設立した株式会社だとしても建前上は所有と経営が分離されているため、倒産しても、法律上は負う責任が出資した範囲に限定されます。(しかし、融資には社長の個人保証が必須であったり、信用問題として実質的に無限責任を負う場合が大半ですけど。)
  3. 事業か継続します。社長が亡くなった場合でも事業は継続するので、会社の継続的な成長が可能です。
  4. 家族を従業員とすることにより、報酬を分散して節税することが容易です。
  5. 優良な人材が確保しやすくなります。
  6. 資金調達がしやすくなります。
  7. 決算期の選択が自由です。自社の繁忙期を避けて設定すると決算対策の時に助かります。
  8. 受けられる助成金等の幅が広がります。
  9. 会社の株式は相続の対象になりますが、会社の財産は相続の対象になりません。財産を会社保有とすることで、相続税の対策に幅が広がります。個人事業の場合、事業で得た財産も全て個人のものなので相続対象になります。
  10. co.jpのアドレスを取得できます。
  11. 保険料の計上に上限がありません。全額損金計上できない場合もありますが。
  12. 税金面に有利な場合があります。
  • 法人税率が所得税率より低くなる場合があります。個人事業の年間の利益が400万円程度あると、法人化して個人事業の利益を給与として受け取ることで給与所得控除を利用して所得税・住民税の節税ができます。
  • 賃貸住宅にお住まいの場合、法人化して役員社宅とすることで、家賃の50%~を法人の損金にすることができます。
  • 事業主が生命保険に加入する予定がある場合、法人化することで経営者の生面保険料の50%~全額が法人の損金にすることができます。(個人事業では4万円の上限があります)
  • 事業主の出張が多い場合、法人化すると経営者に支給した出張日当が法人の損金になります。
  • 事業主に退職金を支給したいと考えている場合、法人化すると経営者に支給した退職金が法人の損金になります。(退職金の税率はかなり優遇されています)
  • 個人事業の昨年または2年前の課税売上高が1,000万円を超えた場合、法人化することで消費税が最大2事業年度免税となります。
  • 青色欠損金を7年間控除できる。青色申告をしていれば、赤字がでた場合でも7年間はその赤字を翌期に繰越ができます。(個人事業の場合は3年)
  • 減価償却費の計上を任意でできます。(個人事業は強制的に償却)

 

 

法人(株式会社)のデメリット

フリーランス・個人事業主と比較した場合の、法人(株式会社)主なデメリットは下記のとおりです。

  1. 会社勤めで週末起業の場合、登記簿から会社にバレる可能性があります。
  2. 会社の役員となると失業手当の給付が受けられません。
  3. 会社設立に手間とお金がかかります。(株式会社の場合、定款の認証、登録免許税、手数料で30万円ほどかかります。)
  4. 赤字でも法人住民税均等割という税金の負担があります。(年間7万円~)
  5. 面倒な複式簿記での帳簿の作成が強制されます。
  6. 接待交際費を経費にできる額に上限があります。
  7. 従業員のいない社長が一人だけの会社であっても社会保険に加入しなければなりません。(個人事業の場合5名以上)

 

 

 

おわりに

フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-1」では、フリーランス・個人事業主のメリットとデメリットについて書いていますので参照ください。

また、「フリーランス・個人事業主でいくか、株式会社設立(法人化)するべきかを考える-3」では、フリーランス・個人事業主から株式会社設立(法人化)するタイミングについて書いていますので、こちらも合わせて参照ください。

 

最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。