損益分岐点分析(CVP分析)とは?赤字ラインを把握しよう

はじめに

こんにちは、東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤です。

港区・渋谷区・新宿区など東京都23区のベンチャー企業やスタートアップ起業を支援する公認会計士・税理士が、経営に役立つ管理会計について解説します。

今回は、損益分岐点分析(CVP分析)を使って赤字ラインを把握する方法について説明したいと思います。

 

損益分岐点売上高とは

損益分岐点売上高とは、利益が出るか損失が出るかの分岐点、利益がちょうどゼロになる売上高のことをいいます。

売上高 - 費用 = 利益
売上高 - 費用 = ゼロ
売上高 - 変動費 - 固定費 = ゼロ
売上高 = 変動費  +  固定費

利益は売上高から費用を差引いて計算します。

費用は変動費と固定費に分けることができます。

変動費・固定費の詳細は下記ページを参照ください。
変動費とは 固定費とは

利益がゼロになるということは、売上高が変動費と固定費の合計に等しくなることを意味します。

 

下の図における真ん中の売上高が損益分岐点売上高になります。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した損益分岐点売上高の図

この損益分岐点売上高を分岐点として、損益分岐点売上高よりも売上高が大きくなれば利益が出て、損益分岐点売上高よりも売上高が小さくなれば損失(赤字)が出てしまいます。

 

 

損益分岐点分析(CVP分析)とは

損益分岐点分析(CVP分析)とは、下記の算式で損益分岐点売上高を計算することをいいます。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した損益分岐点売上高と変動費率の算式

 

実際の売上高5,000万円、変動費3,500万円、固定費1,200万円、利益300万円の場合の損益分岐点売上高

変動費率 = 変動費 3,500万円 / 実際の売上高 5,000万円 = 0.7
損益分岐点売上高 = 固定費 1,200万円 / ( 1 – 変動費率 0.7 ) = 4,000万円

 

また、損益分岐点売上を使うことで次のような分析も行うことができます。

 

安全余裕率とは

安全余裕率とは、損益分岐点売上高と比べて実際の売上高がどのくらいの余裕があるのかを表すものです。実際の売上高が損益分岐点売上高をどのくらい上回っているのかが分かります。

安全余裕率 = ( 実際の売上高 - 損益分岐点売上高 ) / 実際の売上高

実際の売上高5,000万円、損益分岐点売上高4,000万円の場合の安全余裕率
( 5,000万円 - 4,000万円 ) / 5,000万円 = 20%

 

損益分岐点比率とは

損益分岐点比率とは、実際の売上高において、損益分岐点売上高がどの辺に位置しているか
を表すものです。損益分岐点売上高が実際の売上高の何%のところにあるのかが分かります。

損益分岐点比率 = 損益分岐点売上高 / 実際の売上高

実際の売上高5,000万円、損益分岐点売上高4,000万円の場合の損益分岐点比率
4,000万円 / 5,000万円 = 80%

安全余裕率と損益分岐点比率の合計は1になります。

 

 

損益分岐点売上高を小さくする方法

損益分岐点売上高が小さければ小さいほど、少ない売上高で利益がでる体質であるといえます。固定費を減らしたり変動費率を下げることで損益分岐点売上高は小さくなります。

東京都港区の税理士法人インテグリティが作成した損益分岐点売上高を小さくする算式

 

文字で書くのは簡単ですが実際問題として、固定費を減らすのも変動費率を下げるのも容易ではありません。まずは、比較的手をつけやすい固定費から中身を精査して削減できるものを探してみてください。

 

 

おわりに

変動費と固定費の分解、そしてこの損益分岐点分析は管理会計の基本ですが、とても使い勝手がよく役に立つ経営分析の手法なので、ぜひ利用してください。

 

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最後まで読んで頂きましてありがとうございます。
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東京都港区の税理士法人インテグリティ、公認会計士・税理士の佐藤でした。